S&I が提供する「スマホを内線化」する PBXシステム「uniConnect 3」(以下、"uniConnect")。IP通話や携帯電話回線での通話を問わず、会社の内外線番号で電話が使える、極めて便利でニーズの高いシステムだが、今回はその開発陣の中心メンバー(佐々、田崎)に、体験談や苦労話を語ってもらった。

カンタンじゃない、お客様PBX環境とのマリアージュ

記者 uniConnectは、普通の携帯電話回線での通話接続はそのままに、スマホから会社の電話番号で電話したり、保留や転送までできてしまうということで、操作面や IP通話だけに縛られるなどの不便を解消し、まさにビジネスホンとモバイルの連携を高い次元に引き上げましたね。その機能詳細については sandi.jpサイト を見てもらうことにして(笑)、開発における何か面白いエピソードはないでしょうか。

S&I 田崎(以下、"田崎") 「Aspire」(アスパイア)との連携の話なんてどうでしょう。

S&I 佐々(以下、"佐々") それでいきましょう。某出版社様に uniConnectを導入した際、求められた対応、その苦労話です。「え、そんな無茶な。でもできないと困るよね」と。

記者 おもしろそうですね。では、ぜひ聞かせてください。

佐々 はい。そのお客様では、社内の電話機(ビジネスホン、固定電話)に NECの Aspireシリーズを使っていたのですが、固定電話への着信(外線、内線)をスマホで受けたいというリクエストがありました。利便性ももちろんですが、そもそも日中ずっと外出している人には固定電話は不要なので、電話機の数を減らしたい、と。

[写真 左] 佐々 博音(さっさ ひろね):システム開発部 部長。スマートデバイスの活用を軸とした各種アプリケーション開発を担う部門の責任者。同期入社の妻にディスられる日々と、サッカーをこよなく愛する。
[写真 右] 田崎 信三(たさき しんぞう):システム開発部 主管。uniConnectの開発主担当。最年長技術者でありながら誰よりも自由な発想の持ち主。泉のように湧くアイデアと純真無垢な探究心から、社内では敬意を込めて"Dr.たーさん"と呼ばれる。

記者 そこで uniConnectをおすすめしたんですね?

田崎 そうです。uniConnectとお客様のビジネスホンを組み合わせて、SIPによる外線-スマホ間の通話、つまり固定電話への着信をスマホへ転送して通話を可能にします。ただし、この SIPプロトコルはメーカーごとにカスタマイズされているため、技術的に面倒な点が数多く存在します。それで、お客様にはできることとできないことを説明した上で、システムの構築を進めました。

【SIP】"セッション・イニシエーション・プロトコル"の略。IP電話、メッセンジャー、Skype等、インターネットを用いて音声、映像、チャット、ファイルなどをリアルタイムに送受信する「セッション」を開始するプロトコルのこと。

説明していたはずなのに…でもなんとかしたい!

田崎 そう。あらかじめ"できないこと"を説明していたのに、納入直前になって「やっぱりできなきゃ困る」と…。

佐々 お客様は、詳しい原理をご存知ではないですが「それぐらいはできて当然」と思っていらしたようです。それで「困った…」という感じで、本当にお困りになっていまして…。

記者 おっと。暗礁に乗り上げてしまったのですね。それで、どうしたんですか。

佐々 それで、田崎さんは考えた。考えに考えた……。

記者 「できないの?」なんて言われて、悔しかったとか?

田崎 そうじゃなくて。それもあったけど(笑)。でも、気を取り直してアイデアを出してみたんです。まず Aspireに入ってきた着信を固定電話に回す前に、仮想内線で uniConnect側に転送してルートを変えてみました。

記者 まだ電話は鳴らないんですね?

田崎 そうです。それで、その着信を uniConnectが受けたら、そのまま仮想内線を使って再度 Aspireに戻すんです。

記者 それって、どういうことですか?

佐々 固定電話を鳴らす前に uniConnectに転送すれば、着信があったことが uniConnectに伝わります。そのときに uniConnect側で発信元と着信先の電話番号を取り出せばいいわけです。

記者 その後に固定電話が鳴るんですか?

田崎 鳴らない。まだ鳴りません。

Aspireと連携した uniConnect 3のシステム全体図。ネットワークとSIP連携をフル活用することで、固定電話でできる発着信および通話の機能が、スマホでも同様の感覚で使えるようになった。

田崎 それでまた仮想内線で、今度は Aspireに着信を戻してやるんです。つまり、発信元の番号(From)と着信番号(To)を uniConnectに回して、uniConnectは Fromの情報を変えずに Toへ、つまり Aspire配下の固定電話に呼び出しをかけるんです。

佐々 そこで固定電話が呼び出されるので、その時の Fromと Toの情報をピックアップ対象にするわけです。もともと固定電話が呼び出されたらスマホで電話を取れるのですが、ここでは uniConnectが Aspireに最初に届いた発信元番号(From)をそのまま変えずに送っているので、スマホ側でも発信元がどこなのかが分かるようになるのです。

記者 スマホと固定電話が同時に鳴るんですか?

田崎 鳴らない。同時には鳴りません。ピックアップしているだけだから、固定電話に着信があることは分かるんです。その時にスマホで応答すると固定電話が鳴り止みます。

記者 おぉぉ、すごいですね!

佐々 これは uniConnectのオリジナル。他社のサービスではできない…ですよね?

田崎 どうだろう?ちょっと分かりません。これができるのって、ウチの(uniConnect)しか知らないから(笑)。

佐々 お客様サイトでプロトタイプを動かしている最中に別の要求が出てきて、それを詳しく聞いているその脇で、田崎さんらがソースを修正しながらテストを繰り返していましたよね。

記者 話を聞きながらテストしたんですか?

佐々 そうです。お客様の要求に少しずつ対応しながら、最終的にお客様にとっての「最適」が何なのかを探っていくような感じでした。テスト結果をお客様にも見ていただいて、そこからどうして欲しいのか…つまり「お客様目線」そのものですよね。お客様はその先の着地点を見据えていらっしゃるのですから、それが私たちにも見えてくるまでは必要な作業だったのです。

田崎 そんなこと、普通のPBX屋さんならやりません。ウチ(S&I)だけですよ(笑)。

記者 なるほど。お客様のニーズにその場で対応して、完成形を目指していったわけですね。そしてそれが実現して完成した、と。

佐々 いや、それがですね…。

え、まだ不十分!?

田崎 じつは「外線着信→スマホに転送」で終わりだと思っていたら、「外線着信、内線着信、スマホからの着信、すべてに対応させたい」と。固定電話にかかってきた外線通話をスマホに転送できるようになったのですが、それ以外、社内の固定電話から固定電話―つまり内線通話や、スマホから自社の固定電話への着信など、考えられるすべての発着信の組み合わせに対応して欲しい、という要望だったんです。

記者 ずいぶんハードルが上がっていませんか?棒高跳びのバーみたいに。

二人ともuniConnect の中身は熟知しているはずなのに、テクニカルな話が始まると止まらなくなるのは、S&I 開発陣の伝統なのかも知れない。

田崎 要求が一挙に膨れ上がってしまったので面食らったことは確かなんですけど、元々のルートがどうであれ、一度は発着信が Aspireに回ってくるわけですから、それならピックアップした時点でうまく固定電話の番号をくっつけてやればいいんです。ただ、それが最大の難関だと思っていたんですけど、ふと別のアイデアがひらめいて、それをちょっと試してみたら、「あれ?できちゃった」「あれ?またできた」と、文字通りあれよあれよという感じでうまくいってしまって、それでもう最終的に Aspire配下の内線通話までピックアップできるようになったので、ようやくお客様に『できましたよ』って言えました(笑)。

佐々 ここまで対応できたことは今後にも生かせますし、他のPBX製品でも実現していければと考えています。

記者 なるほどですね。では、結びに何か一言お願いします!

佐々 スマホFMCでお悩みがあればご相談ください。また、さまざまな製品との連携検証に引き続き積極的に取り組んでいきたいので、ベンダーの皆様からのお声がけもお待ちしております!

お客様の思いを同じ目線で理解し、それらの要求を満たすために開発を進めた結果、画期的なソリューションへと進化した uniConnect 3。その誕生の舞台裏には、技術力はもちろんのこと、お客様ニーズに柔軟、迅速に対応したいという意志が大きな牽引力となったようだ。穏やかでシャイな二人の開発者だが、技術的な話になると饒舌になって話が終わらないので、続きはまた次の機会にお届けしたい。

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