さる12月10日、「地域における連携体制の構築、変革が求められる薬局の将来像」と題し、クラウドの活用を中心にした経営改革および保険薬局向けの新たなサービスについてのセミナーを、(一社)日本保険薬局協会、(株)日本メディコム(以下、"JMC")、(株)IIJグローバルソリューションズ(以下、"IIJ-GS")、および(株)インターネットイニシアティブ(以下、"IIJ")とともに、東京・飯田橋のIIJ本社内で開催しました。

保険薬局とは、健康保険で医師が処方する薬を調剤してくれる薬剤師がいる薬局のことで、"調剤薬局"ともいいます。S&I は、以前からクリニック向けの電子カルテやレセプトなど、地域医療に向けたクラウドサービスを複数提供していますが、今回はその保険薬局の店舗運営や薬剤師さんたちの業務効率を上げるための新たなサービスについてのご紹介です。

保険薬局が迎える変革のとき…

保険薬局は今、医薬品業界の業界再編や異業種からの新規参入、一般薬のネット販売などにより競争が激化、生き残りのための差別化が必要となっていますが、よりスキルの高い人材(薬剤師)へのニーズが高まり、人員の確保が難しくなってきています。

そんな中、今年8月、厚生労働省が 「遠隔診療」 の適用範囲の大幅な緩和を容認する見方を示したかと思ったら、10月には 「患者のための薬局ビジョン」 を策定し、2025年までに全国57,000件の保険薬局を「かかりつけ薬局」に再編するよう通達を出しました。
離島などの患者に対してテレビ電話等の専用システムで治療していた「遠隔診療」の定義を大幅に緩めて、誰に対してもPCやスマホ、クラウドやAIなどで重症化を予防する行為にまで広げ、同時に、保険薬局にいつでも気軽に相談できる「かかりつけ」の薬剤師を置いて、地域包括ケアシステムの一翼を担う拠点にしよう、というものです。

画像: 終始ほぼ満席のセミナー会場の様子。

終始ほぼ満席のセミナー会場の様子。

なんだか便利そうで良いことばかりのようにも思えますが、当の薬局の方はてんてこ舞いの大わらわです。ただでさえ競争が厳しくなり、人材確保が難しくなってきているのに、遠隔診療、患者ごとの服薬情報の一元管理、24時間対応、在宅対応、医療機関との連携など、とにかくたくさんの宿題を出されてしまって、それらに対応している時間も取れないのに、もう、どこから手を付ければいいのやら…という状況の薬局が多いのです。
だからこそ、少しでも業務の効率を上げて、薬局経営者や薬剤師さんたちが余裕を持って仕事をできるような解決策となるサービスが必要であり、セミナーはおかげさまで大盛況となりました。

これからの保険薬局にとって不可欠のクラウドサービスをご紹介

セミナー最初のセッションでは、IIJ-GSがビデオ会議でミーティング、研修やセミナー、薬剤師勉強会などに活用する、クラウド型ビデオ会議サービス「COLLABO de! World」やマネージドVPNサービス「SmartWAN」を紹介。薬剤師さんや有識者らがPCやスマホなど、さまざまなデバイスから会議に接続・参加し、コミュニケーションと情報共有を図ることで、業務の効率を向上させるというメリットを事例を交えて解説しました。

続くセッションでは、S&I がJMCの山本仁人社長と共同で、経営全体の可視化と人材育成・薬剤師業務を支援する情報通信技術の活用術をご紹介。

画像: S&I 野呂秀明の講演の様子。保険薬局が抱える問題点を解消する戦略の数々をご説明しました。

S&I 野呂秀明の講演の様子。保険薬局が抱える問題点を解消する戦略の数々をご説明しました。

前出の 「患者のための薬局ビジョン」 で出された要件をクリアーするさまざまな戦略、具体的には、「電子お薬手帳」(後述)の導入、持続可能で連携性の高い情報共有、薬剤師のフロント対応/学習時間創出/マインド&モチベーション向上/業務効率向上、本部の管理機能強化、安全管理の向上、不動在庫削減、在庫の一元管理、そして間接業務の外部委託(BPO)などの必要性と、それらを遂行するためのクラウドサービスとして、 「PharmacyVision(基幹システム)」 および 「PharmacyVision(グループウェア)」 を中心に、地域医療を支える複数のサービスをご紹介しました。

→Pharmacy Vision(基幹システム)の詳細はこちら
→Pharmacy Vision(グループウェア)の詳細はこちら

おくすりも、サプリも、おりょうりも!「電子お薬手帳」で便利に管理

最後のセッションは、日本保険薬局協会(以下"NPhA")の皆川尚史 専務理事による「電子お薬手帳」への取り組みと、「電子お薬手帳」の実機デモでした。
保険薬局(調剤薬局)で「お薬手帳」をもらった方は多いと思います。この手帳には、処方された薬について、調剤日や薬剤名、用量・用法のほか、処方箋を出した病院名やジェネリック薬品かどうかなどの情報が記載されているのですが、これらは主に、薬を処方された患者自身が記載された情報を把握するためのものにすぎませんでした。

「電子お薬手帳」では、記載データがデジタル化され、複数の薬局で患者個人の服薬情報が把握できるようになります。しかしそれだけではなく、インターネットに接続されていれば、いつでも、どこからでも処方された薬の情報を記録・閲覧できる 「お薬情報の貯金箱」 なのです。
まず、処方された薬だけでなく、購入した 市販薬やサプリメントの情報を登録すれば、処方薬のデータと一緒に管理 できます。処方薬を市販薬やサプリメントと一緒に飲む場合は 飲みあわせや用量に注意が必要ですが、「電子お薬手帳」ならそういった危険性もすぐに判別 できるようになります。

画像: 「電子お薬手帳カード」の実機デモの様子。ちょっと遠くて見えないかな。

「電子お薬手帳カード」の実機デモの様子。ちょっと遠くて見えないかな。

また、処方された薬の ジェネリック薬品が発表されると、どの薬と置き換えができて、その場合のコスト差の計算 もできたり、そのほかにも 検診や検査の結果を記録・管理 したり、 免疫力を高めるためのレシピ集を参照 できるなど、便利な機能が満載です。
これらのサービスは、現在のところNPhAの「電子お薬手帳」を導入している全国約300店舗(※)の保険薬局に設置の端末で閲覧できますが、2016年1月頃から個人向けに iPhone/Android用アプリがリリース予定となっており、「電子お薬手帳」カードと呼ばれる会員カードとの併用で、これらのサービスが利用できるようになります。
※運用準備中を含めれば約880店舗。

このように、保険薬局のお仕事向けに特化したサービスですが、日々の生活に密接に関わっていますし、今後は患者、薬局および医療機関の間でさらに多くの情報が行き交って活用されるよう進化していくでしょう。私たち一人一人の未来のためにも、ぜひ注目していただければと思います。

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