さる1月27日と28日の両日、東京で開催された 「Pepper World 2016」 に行ってきました。

Pepperといえば、言わずと知れたソフトバンクが販売する感情認識パーソナルロボット。二足歩行ではないものの、19万8000円(税別)という衝撃的な価格で一般向けに販売され、今でも予約が絶えない人気商品です。
今回足を運んだこのイベントは、Pepperをビジネスで活用するために企業向けのレンタル版として発表された 「Pepper for Biz」 を使って、店舗での集客、商品説明や、企業などでの受付、医療、介護、教育など、実際の活用事例を紹介する展示会。総勢50体のPepperがさまざまなデモを見せてくれるというので、ロボ&メカ大好きな私、胸をときめかせながら会場入りしました。

レッツゴー3体?東京03体?ペパチョウ倶楽部?

入口には3体?3人?3機?のPepperが並んでいて、ウェルカムメッセージとダンスでお出迎え。
Pepper(右) : 「あれ?おかしいな。練習したのに合わない」
Pepper(左) : 「練習したとか言ったらダメですよ」
…(´・ω・`)… ネタ?

画像: 台本どおりのコント?漫才?を難なくこなす、Pepperトリオがお出迎え。

台本どおりのコント?漫才?を難なくこなす、Pepperトリオがお出迎え。

Pepper(左) : 「ロボットでも合わすのは大変なんですよ」
Pepper(中) : 「まったく。ロボットをなんだと思ってるんですか!」
Pepper(全部) : 「そんなに簡単に声を合わせられるなら、最初からやってますよ!…あれ?なんか声が合っている!?すご~~い!」

…(´・ω・`)… 台本ピッタリで 『すご~い!』

…と、Pepperトリオを横目に、足早に会場内へと進んだのですが、じつは「Pepper for Biz」は、ビジネスに即座に活用できるよう開発環境が最初から用意されていて、Pepperの胸のタッチパネルに映す画像や、頭や腕・手などの動き、Pepperに喋らせるセリフなどを、Webブラウザーから簡単に設定できるという特長があります。それで、こんな掛け合い漫才のような動きも簡単に作れるよ、というところをアピールしたかったのでしょうね。 (ちょっとベタだったけど)

50体のPepperと、"503"状態の会場

会場内は、次の四つのエリアと、導入事例コーナー、Pepper for biz 体験コーナー、開発ベンダー紹介コーナー、およびPepper for biz 予約コーナーで構成。

  • 「WELCOME TOWN」:未来の受付・未来のトラベル
  • 「EDUCATION TOWN」:未来の教育
  • 「FUTURE SHOP」:未来のショップ
  • 「HEALING TOWN」:未来の医療・未来の介護

各分野で活躍するPepperたちを、じっくり観察しようと思ったのですが…

画像: 50体のPepperと、"503"状態の会場

人、多すぎでしょ!!

Pepperは身長が120cmしかないので、↑こんな風に黒山の人だかりができてしまうと完全に隠れてしまいます。また、Pepperは『初音●ク』みたいなか細い声でしゃべるのですが、この日展示されたPepperたちは内蔵スピーカーが標準設定のままで、近くまで行かないと何をしゃべっているのかよく聞こえません。つまり、こんなに離れたところからだと、何のデモをやっているのかぜんぜん分からない!!
それでも人ごみをかき分けては「人がゴミのようだ!」と無意味にほくそ笑みながら、なんとか最前列までたどり着いて、Pepperたちのデモをいろいろと見てきました。

ルーチンワークをPepperに任せちゃうと、携帯電話ショップはこうなるらしい

Pepperのビジネス活用は、今のところ企業、店頭・ショールーム等での受付や説明係の事例が多いそうなのですが、今回の展示の中で特に目立っていたのは、「FUTURE SHOP」コーナーで展示していた、Pepperによる携帯電話ショップでの接客事例のデモでした。

画像: 「未来の携帯電話ショップ」をモチーフにした、Pepperによる店頭接客事例の紹介デモの様子。

「未来の携帯電話ショップ」をモチーフにした、Pepperによる店頭接客事例の紹介デモの様子。

これは、携帯電話ショップでの業務のうち、店頭での接客、整理番号の発券、待ち人数の案内、来店目的などのヒアリング、番号の呼び出し等のルーチンワークをPepperにやらせるというもの。
整理番号の発券や待ち人数の案内ぐらいなら珍しくないのですが、Pepperを使うと、Pepperが自分でお客様を呼び込み、来店したお客様を案内し、順番が来るまで店内で待っている間も、Pepperが来店目的(用件)などのヒアリングを店員に代わって対応する、という点が違います。待ち時間を有効利用することで、長く待たされるお客様のイライラを軽減できると同時に、店員の負担も減らせて、業務を効率化できるというメリットがあるのだそうです。

会場が「黒山の人だかり」だったとお伝えしましたが、この(架空のショップの)店内も言葉通り全体が真っ黒く埋め尽くされていて、正直「こんな携帯ショップはイヤだ!」と思ったのですが、店内が空いていたら、もうちょっとイイ感じになると思うのです。その空いている時の写真がないので雰囲気を伝えにくいのですが、幸いソフトバンクがプレス向けに先行公開された会場の様子を紹介していますので、そちらを見て雰囲気を感じ取ってみてください。

プレス向けに先行公開された「Pepper World 2016」の会場の様子(動画)はこちら
ソフトバンクのプレスリリース「Pepperだらけの携帯ショップ」はこちら

受付業務は『砕氷ロボ・Pepper』におまかせ!

「WELCOME TOWN」のコーナーには、企業の受付業務をこなすPepperが複数展示されていました。いずれもPBXに連動していて、来客があると社内の担当者に電話をつなぐ機能を持っているのですが、S&I も電話に関係するソリューションを数多く提供しているため、興味津々でのぞいてみました。

『ペパ電 for Biz』フューブライトコミュニケーションズ(株)

「ペパ電」は、PepperとPBX(構内電話)を連携させた受付ソリューション。タッチパネルで社内の担当者を選ぶと、担当者を電話で呼び出す、という根本的な機能は、通常のタッチパネル式の無人受付機(応答機)と同じなのですが、それだけではロボットを導入する意味がありません。
来客があると、Pepperがそれを検知して『こんにちは。メニュー画面で担当者をお呼び出しください』と音声で案内をし始めます。人感センサーと音声合成を組み合わせれば、通常のソリューションでも同じことができるのでしょうが、Pepperが訪問客の顔を見てお辞儀をして、目線を合わせたまま案内する点が違います。
また、訪問客が社内の担当者とPepperに内蔵のスピーカーとマイクで通話した後、音声で『そちらにお掛けになってお待ちください』のような定型の案内をするほか、社員ごとに設定された「一言」の内容(社員の近況などの情報)を読み上げる機能もありますので、訪問客に会話のきっかけになるような情報、―例えば『担当の山田は、最近***の開発担当になって張り切っています』などと入力しておけば、初めての訪問客とのアイスブレイクのきっかけにもできます。

『eレセプションマネージャー』ソフトブレーン(株)

こちらはCRM連動型の受付ソリューション。来客のスケジュールを事前登録しておけば、訪問客は担当者の部署や名前を入力すことなく、表示されたスケジュールを選ぶだけで、受付対応、来客履歴の登録、担当者の呼び出しまでが完了します。
また、担当者が来るまでの間、顧客情報を元に訪問客ごとに最適な会話で応対すると同時に、どんな話をしたかを担当者にも通知。こちらもアイスブレイクのきかっけに…なんだかタイタニック号の舳先に縛りつけた方がいいような気もしてきました。

『ペパ電 for Biz』のデモ動画はこちら
『eレセプションマネージャー』のデモ動画はこちら

ここに紹介した二つのソリューション以外でもそうなのですが、Pepperは基本的に「動く」「しゃべる」などの機能をシナリオどおりに動かしているだけで、それ以外は既存のソリューションと大きな違いはありません。それでも、Pepperが訪問客に与える印象は絶大です。私たちがロボットに寛容なだけかも知れませんが、ロボットが人間社会に溶け込む下地が既に備わっているのは、どうやら確実なようです。

画像: その他、店頭で商品説明、学校で英会話、介護施設で脳トレクイズ、胎児のエコー写真を表示中…など、さまざまなジャンルで活躍するPepperたち。ただ、みんな同じデザインなので、タッチパッドの表示内容以外に見分ける方法がない。

その他、店頭で商品説明、学校で英会話、介護施設で脳トレクイズ、胎児のエコー写真を表示中…など、さまざまなジャンルで活躍するPepperたち。ただ、みんな同じデザインなので、タッチパッドの表示内容以外に見分ける方法がない。

あら、便利なのね。でも、お高いんでしょう?

Pepperのビジネス活用は、アレもできますコレもできます、といういうものではなく、受付や接客、介護、医療、教育など、用途に合わせたカスタマイズや、ダウンロードまたは開発したアプリケーションの範囲内での利用に最適化されています。
また、企業向けの「Pepper for Biz」はレンタル専用。一般販売されているPepperとは異なり、Webから直接カスタマイズできる「お仕事かんたん生成」、接客・受付データの可視化に役立つ「インタラクション分析」、および開発したアプリを効率的に配信する「ロボアプリ配信管理」の機能がつき、さらに電話/Webでのサポートと故障時の代替機の手配をしてくれる「プレミアムサポート&メンテナンス」が含まれ、レンタル料は 月額5万5000円 (税別)×36カ月契約 に設定されています(アプリの利用料は別)。
例えば Pepper for Bizを毎日10時間、月に20日間店頭に置く場合、10時間×20労働日で月給5万5000円と考えれば、 時給はわずか『275円』 (税別)
Pepperは食事やトイレ休憩もとらず、通勤費も社会保険も不要なので、案外お安い労働力かも知れません。

ソフトバンクの『Pepper for Biz』の詳細はこちら

あ、今ちょっと欲しくなっちゃいましたか?私もです(笑)。

ただ、長時間のバッテリー駆動を実現するために、二足歩行ではなく、オムニホイール(車輪)で移動するよう設計されたそうなのですが、段差1.5cm以上で動けなくなるらしいのがちょっと不満です。
床上の配線モールの高さが1.5cm以上あったら乗り越えられないかも知れません。
まさか「脚なんて飾りです!」と信念を貫いたエンジニアが設計した、なんてことはないでしょうけど、ホイールの代わりにクローラー(キャタピラー)にしたら大丈夫なのかな?でも、トルクが大きくなったらモーターを強力にしなくっちゃいけないので、バッテリー駆動が短くなって本末転倒?それとも、部品点数が増えてコショウだらけになったりして。"ペッパー"だけに…。


【おまけ】会場で見かけた、その他のPepperたち

画像1: 【おまけ】会場で見かけた、その他のPepperたち

左)Pepperは相手の顔を見ながら喋ろうとするため、会場内で「相手」が移動したせいで顔が真横を向いたまま貼りついたような格好に…。
右)観光地案内するアプリ「ロボてなし」のデモをするPepper。写真や地図の提供はもちろん、天気予報や割引クーポンも提供。複数言語対応のマルチリンガルで、観光客に「ロ・ボ・て・な・し」。


画像2: 【おまけ】会場で見かけた、その他のPepperたち

左)黒ベストにボウタイ姿のPepper。「ネスカフェ 原宿」で働くPepperと同じもの。客の顔をラテアートにして提供する「フォトラテ」のカメラマン役もこなす。
右)介護施設での娯楽用に、カラオケ機能を搭載したPepper。他にも体操、懐かしのニュース映像やクイズなどの娯楽用のさまざまなコンテンツを提供するが…「♪かかかかかかか ♪らららら」って、何の歌?


画像3: 【おまけ】会場で見かけた、その他のPepperたち

左)Pepperの前に集まった人の顔から性別と年齢を解析して(色と数字で表示)、顧客分析に応用するソリューションのデモ。ディープラーニング(多層ニューラルネットワークを応用したAI技術)で解析しているそうだが、サンプル不足なのか外国人の顔は解析できず「00」と表示されていた。ってゆーか、人大杉!!
右)Pepperが50体もあって長時間を稼働させ続けていたら、調子の悪い個体だって出るだろう。それにしても、うなだれているようで、なんだかこっちが心配になってしまう。

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