「うん、いいネ!いいんじゃない、コレ?スゴイよ。さすが!」

完成した電子看板『Ver.1.01』を見た上司のファーストインプレッションは、予想に反してベタ褒めに近いほどの高評価。苦労して構築したかいがありましたが、前回予告したとおり、これですんなりと終わるはずがありませんでした。

第4回は『改修編』。完成したばかりの電子看板を、さらにいじくり回す様子をお届けします。

やっぱりダイエットって大事ですよね(メタボ記者の独り言)

『Ver.1.01』完成時や上司へのプレビューの際にはスムーズに再生されていた、PowerPoint(パワポ)のスライドショー。それがなぜか 途中で表示がカクついたり、写真が色落ちする など、そのままお客様にお見せするには、ちょっとみっともない状況に陥ってしまいました。
さらに翌日、 スライドショーの画面の上にマカフィー インターネットセキュリティーの画面が開いて スライドショーが見えなくなったという報告が…。そこで、前出のAll-inOne Media Keyboard片手にエントランスまで行って緊急メンテナンスを実施しました。
 
まず、スライドショーの表示の不具合は、パワポのファイル内で使っている図や写真のサイズの問題でした。なにしろ、6個のスライドショーを1個に連結したのですから、それなりにファイルサイズも大きくなることは予想していました。しかし、その予想を超えるほどファイルサイズが大きかったので調べてみたところ、出版向けの高解像度の写真が、画質そのままで貼り付けられているページが複数見つかり、さらにそれらにアニメーション効果も設定されていたことが、パフォーマンスに影響を及ぼしていました。

画像: 画像のサイズ設定から[リサイズ]をクリックしてみたら、高解像度の写真が出現した。

画像のサイズ設定から[リサイズ]をクリックしてみたら、高解像度の写真が出現した。

パワポのオプションで画像の解像度を統一して、サイズを圧縮したところ、ファイルサイズが60MB⇒「19MB」になり、これでカクつきや色落ちの問題は解決しました。
 
次はマカフィー インターネットセキュリティー。DG-STK2Sには標準でインテルの「マカフィー インターネットセキュリティー」の製品版(以下「マカフィー」)がプリロードされています。マカフィーはウイルス定義ファイルなどを定期的に更新しますが、今回のPCはスタンドアローン運用なので、ネットワークに接続しようとしてエラーになるのを防ぐため、事前に msconfigコマンドでマカフィーのサービスを無効化していました。しかし、それでもマカフィーの画面が開くということは、実はそれだけでは無効化されておらず、バックグラウンドで何かが動いていたということです。

無効化しても効果がないのなら、どうせスタンドアローン運用ですし、このPCからファイルを引っ張り出すこともないので、バッサリとアンインストールしちゃいました。

【ご注意】
Diginnos Stick DG-STK2Sにプリロードされている「マカフィー インターネットセキュリティー」は、Windows 10のリカバリー(再インストール)では元に戻せない場合があります。その場合、リカバリー後にインテル(マカフィー)の製品サイトから、同じ製品をダウンロードしてインストールすることになりますが、ダウンロードにはマカフィーのユーザーアカウントが必要ですので、必ず アンインストールの前にユーザー登録を済ませてください。 なお、「マカフィー インターネットセキュリティー」が不要な場合(将来も使う予定がない場合)は、この限りではありません。

「マカフィー インターネットセキュリティー」をアンインストールすると、標準のセキュリティーソフトが"Windows Defender"に変わりますが、これもさまざまなデータをマイクロソフトに送信したり、ファイルを更新したりしますので、 こちらの監視/更新/送信機能も止めないと…。
その他、外部にデータを送信する恐れのある機能のうち、Windows 10の初期設定では設定していなかった機能を、どんどん「OFF」にしていきます。

    [スタート]→[設定]→[更新とセキュリティー]→[Windows Defender]
  • リアルタイム保護
  • クラウドベースの保護
  • サンプルの送信

  • [スタート]→[設定]→[システム]→[オフライン マップ]
  • 従量課金接続
  • マップの更新

  • [スタート]→[設定]→[プライバシー]→[フィードバックと診断]
  • フィードバックを求められる頻度 ⇒ しない
  • デバイスのデータをMicrosoftに送信する ⇒ 拡張

  • [スタート]→[設定]→[プライバシー]→[バックグラウンドアプリ]
  • ⇒ すべてOFF
画像: Windows Defenderによるリアルタイム保護やデータの送信などを「オフ」に設定

Windows Defenderによるリアルタイム保護やデータの送信などを「オフ」に設定

画像: その他、外部にデータを送信する可能性がある機能のほとんどを「オフ」にしてみた

その他、外部にデータを送信する可能性がある機能のほとんどを「オフ」にしてみた

神が与えし試練はどこまで続く?こちとら仏教徒なのですが…

パワポのファイルをダイエットさせ、マカフィーもアンインストール。スライドショーの再生テストでも色落ちもカクつきもなくなり、今度こそ完成だろうと思ったものの、もう見出しだけで簡単に想像できるとおり、新たな ギッチョン ミッションが待ち構えていました。

上司:「BGMが1曲だけじゃ寂しいから、増やしてよ。曲はこっちで選んでおくからサ」

前日に大絶賛してくれたはずの上司からの、新たなリクエストでした。アレで気に入ってくれたと思っていたのですが、逆に気に入ったからこそ、もっといろいろやらせたくなったのかも。そう思えば手を加えるのもやぶさかではないのですが、さて、どうやって実現するか…。
 
現在はパワポの中で同じBGMを繰り返し演奏するよう設定していますが、パワポには複数のBGMを順番に演奏して繰り返すような機能はありません。途中のページに埋め込む場合、演奏がどのページのどのタイミングで終わるかを計測して、スムーズにつながるよう遅延時間を設定して埋め込み、という作業になるのですが、それはちょっと面倒そう。
いろいろ悩んだ結果、パワポのスライドショーを動画ファイルに変換して、動画プレイヤーで再生させることにしました。以下はその手順です。

  1. 一つに統合したパワポのスライドショーを、いったん元の6個に再分割

  2. 用意されたBGMの演奏時間に合わせて、各スライドショーの再生時間を調整
    • 各BGMの再生時の音量をそろえておく
    • 演奏時間よりも極端に短いスライドショーを2個つなげる
    • それでも演奏時間が余る場合は、BGMを途中でフェードアウトさせる

  3. 各スライドショーをパワポ上で動画ファイルに変換
    • 動画の解像度は『フルHD』(1,920×1,080)
    • 動画ファイルは『H.264/MPEG-4 AVC)』圧縮の『MP4形式』

  4. 変換した動画ファイルは、動画プレイヤーで再生(パワポは使わない)
    • Windows Media Player以外の動画プレイヤーを使う

パワポやPowerPoint Viewerをインストールしたり、パワポのファイルを統合したり、画像を圧縮したり、今までやってきた作業がほとんど無駄になってしまいますが、もともと電子看板の知識なしに、大急ぎで始めたことですので、紆余曲折があるのは仕方がありません。

パワポのファイルを動画に変換!新しいパワポなら楽だったのになぁ…

でも、悪いことばかりでもありません。もともとこのミッション、会社のプロモーションビデオ(PV)の再生が目的なので、再生対象がすべて動画になってしまえば、動画プレイヤーの方が扱いが簡単です。プレイリストも使えますし、繰り返し再生に頭を悩ませることもありません。

そうと決まれば、さっそく作業開始です。まずはパワポのスライドショーのファイルを元の6個のファイルに分割、用意されたBGMの演奏時間に合わせて、スライドショーの再生時間を調整します。

画像: 各スライドショーの再生時間とBGMの演奏時間はまちまちなので、複数のスライドを連結したり、各ページの表示時間を調整したり、BGMをフェードアウトさせたり、細かく調整を加える。

各スライドショーの再生時間とBGMの演奏時間はまちまちなので、複数のスライドを連結したり、各ページの表示時間を調整したり、BGMをフェードアウトさせたり、細かく調整を加える。

各スライドショーにBGMを埋め込んだら、次は動画データへの変換です。
パワポには作成したプレゼンテーションを、一般的な動画データに変換する機能があります。
PowerPoint 2010(パワポ2010)では [ファイル]→[保存と送信]→[ビデオの作成]、PowerPoint 2013(パワポ2013)では [ファイル]→[エクスポート]→[ビデオの作成] の順で選択します。

パワポ2013ではフルHDサイズ(1,920×1,080)の解像度での出力ができるのですが、このとき作業に使ったパワポ2010は、こともあろうにHDサイズ(1,280×720)までしか出力できません。加えて、パワポ2013でサポートされているMP4形式での出力もできず、WMV形式(Windows標準の動画ファイル形式)にしか対応していません。

画像: PowerPoint 2013(上)と同2010(下)の動画変換メニュー。PowerPoint 2010の選択肢にはフルHD(1,920×1,080)の選択肢がない。しかもMP4形式には変換できない。

PowerPoint 2013(上)と同2010(下)の動画変換メニュー。PowerPoint 2010の選択肢にはフルHD(1,920×1,080)の選択肢がない。しかもMP4形式には変換できない。

パワポ2010でフルHDサイズの動画を出力する方法を調べてみたところ、ルーマニアのUltimate Systemsという会社が PowerPoint HD Video というフリーウェアを公開していましたので、今回はそちらを利用しました。表示内容はすべて英語ですが、設定項目が、入力ファイル名、出力ファイル名、フレームレート、画質、および解像度(フルHD~4Kまで)の5つしかありませんので難しくありません。これら5項目を設定して[Convert]ボタンをクリックすると、パワポを呼び出し、パワポの変換機能を使って出力が始まります。

画像: ”PowerPoint HD Video”を使って、フルHDサイズの動画を出力中。

”PowerPoint HD Video”を使って、フルHDサイズの動画を出力中。

動画の形式の変換(WMV→MP4)には、例えば Windows ムービーメーカー で読み込ませて MP4で出力し直すなどの方法がありますが、変換ツール自体が実に数多く出回っていますので、好みのツールを使えばいいでしょう。

1MB以下に収まる超・軽量動画プレイヤー"DV.EXE"を試してみた

動画を再生するプレイヤーには、当初は定評ある VLC Media Player を使う予定だったのですが、できあがったMP4ファイルを再生させてみたところ、少し動きがカクついたように見えました。この原因が分かったのはずっと後のことなのですが、このときは原因を調べている余裕がなかったので、さらに軽量でキー割り当てが豊富なフリーウェア DV.EXE を使うことにしました。
なお、DV.EXEはMP4の再生に必要なコーデックを内蔵していないので、コーデックは別途ダウンロード。今回は安定度が高く、インストールしたコーデックのON/OFFを制御できる CCCP(Combined Community Codec Pack) を選びました。

画像: 左)フリーの動画プレイヤー DV.EXEは、配布コンポーネント一式がわずか765KBの超・軽量設計 右)CCCPのド派手なダウンロードページ。デザインは旧・ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦、ロシア語での略称:CCCP)の国旗のパロディー

左)フリーの動画プレイヤー DV.EXEは、配布コンポーネント一式がわずか765KBの超・軽量設計
右)CCCPのド派手なダウンロードページ。デザインは旧・ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦、ロシア語での略称:CCCP)の国旗のパロディー

コーデックはそのままインストールするだけでOKなのですが、DV.EXEは少し設定が必要です。
とは言っても、動画の再生に関する基本設定(主に再生方法や画面表示関連)と、あとは[詳細設定]の画面内で「対応する拡張子」に"MP4"を追加するぐらいの簡単なものです。

画像: DV.EXEの基本設定画面。軽量ソフトなのに実にさまざまな設定が可能

DV.EXEの基本設定画面。軽量ソフトなのに実にさまざまな設定が可能

また、起動用バッチファイルの内容も、DV.EXEを呼び出す内容に変更です。内容は変わりますがバッチファイル名は同じなので、スタートアップや[スタート]メニュー、タスクバーに置いたショートカットはそのまま残しました。
DV.EXEは[Esc]キーを押せば終了するので、強制終了用のバッチファイルは必要ないのですが、[スタート]メニューとタスクバーをいじりたくなかったので、DV.EXEを強制終了する内容に書き換えました。

【slideshow.bat】─── 起動用バッチファイル
@echo off
pushd C:\User\UserName\スライドショー\DV
start dv "C:\Users\sandi\スライドショー\playlist.m3u" /max

【playlist.m3u】─── プレイリスト
Slideshow_001.mp4
Slideshow_002.mp4
Slideshow_003.mp4
Slideshow_004.mp4

ここまでの設定を終えて作動確認をしてみましたが、自分でも「お、いいんじゃね?」と思うぐらいスムーズな動き。一部分だけですか↓実際の再生の様子をご覧ください。


実機での再生。BGMの音量を小さめに設定している上、周囲のノイズを拾ってしまったので少し聞き取りにくいが、動画自体はスムーズに再生できている

実機での再生テストも無事に終わり、特に問題点も見られません……ということで、再生方法を変更した、 電子看板『Ver.2.00』の完成 です!!


さて、なんとかここまでこぎ着けられました。ミッションにギッチョンをかけたシャレもそろそろ限界ですので、このVer.2.00で今度こそフィニッシュしたいところですが、皆さんもお気付きのとおり、「このときはまだ~」や「ずっと後で~分かった」などの伏線を回収しきれていません。その辺については、この後完成するS&IのPVの話と合わせて、また次回ご紹介します。

―次回、 たぶん最終回 (仮題)「完結編」につづく

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