在宅勤務、SOHO、サテライトオフィス、モバイルワークなど、会社の外で業務に当たるワークスタイルは、IT技術の発達とともに、場所や時間の制約を受けない「テレコミューティング」へと移り変わってきました。さらに国の政策方針により、総務省、厚労省、国交省、経産省など、関連省庁が連携してテレワークの普及に力を入れています。

しかし、2015年の調査によれば、きちんとテレワークを導入している企業は「7.9%」。それも従業員数が少ない企業ほど導入率が低い傾向にあり、これらの企業が挙げた導入上の課題として、セキュリティー、労務管理、社内制度の整備、社員間のコミュニケーションなどが上位を占めています。

画像: ―企業におけるテレワークのための制度・仕組みの導入状況― 出典:総務省「地方創生と企業におけるICT利活用に関する調査研究」(2015年)

―企業におけるテレワークのための制度・仕組みの導入状況―
出典:総務省「地方創生と企業におけるICT利活用に関する調査研究」(2015年)

こうした課題の解消とテレワークのメリットを分かりやすくお伝えするために、『テレワーク成功の核心に迫る!競争社会を勝ち抜く「柔軟で安全な働き方」とは?』と題し、生産性の高い働き方と、増大するセキュリティーリスクへの担保の両立を軸に、さまざまな企業で導入が進むMicrosoft Office 365の活用より実践的な利用方法を中心に、安心して使える『理想的なテレワーク環境』についてご紹介するセミナーを、さる9月下旬に東京・浜松町で開催しました。

画像: 「いつでもオフィス」と「どこでもオフィス」
 ~最新ソリューションと共に「Office365」を賢く利用!~

非の打ちどころなし!みんな使ってる「Office 365」

この日最初のセッションは、ソフトバンク コマース&サービス(株)による、Microsoft Office 365(以下、"Office 365")の最新情報や、活用方法とメリットの紹介を中心とした内容でした。

Office 365は、WORDやExcelなどでおなじみのMicrosoft Office(以下、"Office")に、ExchangeやSkype for Businessなどのコミュニケーション/コラボレーション機能を加えて体系化した、クラウド型のグループウェアサービスです。パッケージ版のOfficeとは「企業向け」「月額制」という点が大きく異なり、毎月一定額(または年額)を支払うことで、常に最新のソフトウェアや付加サービスを利用できるというシロモノです。

月額制と聞くと、一度購入すれば永続利用できるパッケージ版よりも割高なイメージがありますが、Office 365の場合、常に最新なのでアップグレード料が不要ですし、1ユーザーライセンス当たり最大5台のデバイスにインストールして使えます(パッケージ版は最大2台まで)。5台の中にWindows PC、Macintosh、Android/iOS/Windows Phoneなどのモバイルデバイスを混在できますので、複数デバイスを持つユーザー向けに機種ごとのライセンスを購入しなくても済むなど、コストメリットも十分に考慮されています。

Office 365で提供される機能・サービス
・Excahge Online
メール/予定表/共有連絡帳
・Skype for Business
プレゼンス(在席情報)/メッセンジャー/オンライン会議/音声・ビデオ通話
・SharePoint Online
コラボレーション/ドキュメント管理
・OneDrive for Business
オンラインストレージ/ファイル共有
・Office 365 ProPlus
オフィススイート (中身は Office 2016とほぼ同じ)

Office 365は、一般的なOfficeの機能を持ちながら、グループ内のメンバーや拠点など遠隔地との間で、文書、データ、会話、時間等を共有できる数々の機能を備えています。セッションでは、これらの活用方法を「ある社員の1日の仕事の様子」という形にして、デモを交えながら紹介しました。

画像: Office 365を使ったビデオ通話のデモの様子。

Office 365を使ったビデオ通話のデモの様子。

メールや音声通話など、既存のアプリケーションやサービスと同じように見えても、そこは「ビジネス向け」ということで、例えばメールボックスやファイル共有の容量がたっぷり用意されていて、必要に応じてオプションで拡張できます。

そして、Office 365にはデータが消えない安心感―つまり「削除したデータの復活」という大きなメリットがあります。例えば、メール容量は標準で50GBもありますし、アーカイブ用の容量も50GB。そのアーカイブは無制限化オプションを申し込むことで、古いアーカイブが削除されるということがなくなり、古いメールをいつでもアーカイブから取り出せるようになります。
また、ファイル共有にも容量無制限化のプランがありますので、誤操作に気付かず消してしまったファイルでも、アーカイブの中から復活できます。

オンライン会議用のツール・Skype for Businessは、名前こそSkypeと付いていますが、かつては「Lync」と呼ばれていた全く別のツールです。最大250名の音声通話、最大10名のビデオ通話、通話(音声/ビデオ)も画面共有も暗号化できて、さらに管理者が通話対象を制限・管理できるなど、「Skypeとは違うのだよ、Skypeとは」というぐらい高機能なのです。

画像: Office 365のサービスプラン。オフィススイート(Office)だけ、グループウェアだけ、両者のセット、グループウェアの一機能だけ等、用途に応じて選べるが、セットはかなりお得な価格に設定されているようだ。

Office 365のサービスプラン。オフィススイート(Office)だけ、グループウェアだけ、両者のセット、グループウェアの一機能だけ等、用途に応じて選べるが、セットはかなりお得な価格に設定されているようだ。

このほかにも数え上げるとキリがないぐらいたくさんのメリットがありますが、数々の便利機能と優れたコストメリット、ニーズや規模に合わせて選べるサービスプランや、使い慣れたOfficeの各ツールとの一貫性のあるユーザーインターフェースなどが支持を集め、現在人気がうなぎ上りで、飛ぶ鳥を落とす勢いで…とにかく赤丸急上昇中。古いグループウェアからのリプレースも含め、急速に普及しつつあります。Office 365なら、テレワークにおける社員間のコミュニケーションの問題を解消し、導入のための敷居もグッと低くなりますので、ぜひご検討を……と、まあ、こんな内容でした。

利便性も安全性も外せない!Office 365/社内設備連携とシンクライアントで実践するテレワーク

続くS&Iのセッションは、テレワーク導入の課題のうち、生産性の向上、セキュリティー、そして投資コストの三つを、解決へと導く手法の紹介でした。

Office 365は、メール、スケジューラー、プレゼンス、チャット、ファイル共有など、テレワークに欠かせないさまざまなコミュニケーション機能を一括して導入できる、現時点において生産性向上のための最適解に最も近い「旬」のサービスです。「コミュニケーション統合」を体現したと言っても過言ではないでしょう。

しかし、どうしても会社での仕事との違いが出てしまう点が『電話』です。Office 365だけでは、一般的な会社に導入されているビジネスホン機能が使えません。オフィスの電話番号での外線通話や内線通話はもちろん、保留・転送や、就業時間を過ぎた後の着信先の切り替え、自動音声応答など、オフィスの電話と同じような操作がPCやスマホでもできれば、まさに「事務所要らず」の一歩進んだ「どこでもオフィス」が実現します。

画像1: 利便性も安全性も外せない!Office 365/社内設備連携とシンクライアントで実践するテレワーク

uniConnectは、ビジネスホンとスマホを統合して相互に内線/外線通話や保留・転送等を可能にし、どこにいても、会社の電話と同じ感覚でスマホが使えるというスグレモノ。さらにuniConnectに用意されている「Skype API連携モジュール」によって、Office 365で共有されているプレゼンスや連絡帳を使ってPCやスマホから会社の内外線通話が可能になります。
この日は uniConnectによるスマホ同士の内線通話のデモの実演と、さらにuniConnectとSkype for Businessの連携機能を動画で紹介しました。

画像: uniConnectを使って会場内の2台のスマホ同士で内線通話をするデモや、Skype for Businessとの連携の様子を動画でご紹介

uniConnectを使って会場内の2台のスマホ同士で内線通話をするデモや、Skype for Businessとの連携の様子を動画でご紹介

関連動画 ☞ 【フルバージョン】uniConnect / Skype for Business相互連携 デモ動画

次に、セキュリティー対策への有効な手段として、シンクライアント端末による仮想デスクトップ環境(VDI)をご紹介。VDIとシンクライアントの仕組みは今さら改めて説明することもないと思いますが、昨年(2015年)国内で発生した情報漏えいの件数は約2万件を数え、そのうちの約20%はデータの入ったPCやUSBメモリーの紛失・盗難が原因だったという調査報告 がありますので、データを社外に持ち出せないようにして原因の根本を絶つシンクライアントは、漏えい防止に大きな効果があります。
また、OSやアプリケーションの更新がサーバー上で一括処理できるため、運用管理の手間が省けますし、ユーザー設定がクライアントに残らないので、どのクライアントを使っても常に同じ環境を利用できる ―例えば、故障時の代替機がすぐに手配できて、利用環境の構築も不要。他部署や他地域への転属・転勤でも、クライアントを持ち運ぶ必要がない― というメリットもあります。
※出典:2015年5月 Ponemon Institute 調査レポートより

……と、そんな感じでVDI環境のメリットを紹介しつつ、「そこで S&I のクライアント専用端末ThinBoot ZEROですよ!!」と、しっかり自社製品をアピール(笑)。
そのThinBoot ZEROですが、おかげさまで累計出荷台数6万台を達成しまして、さらにデル製のノートPCと2in1ノートが加わってラインアップがさらに充実しました。この場を借りてもう一度アピールしておきますが、「VDIにはThinBoot ZEROですよ!!」

画像2: 利便性も安全性も外せない!Office 365/社内設備連携とシンクライアントで実践するテレワーク

さて、記者も☝自分の使命を少しだけ果たしたところで、VDI の話に戻ります。
VDI環境の導入にあたっては、『業務に必要なアプリケーションの選定』『共有ストレージ環境の選定』、および『概念検証(PoC:Proof Of Concept)』が重要な検討事項として挙げられますが、この日のセッションでは「共有ストレージは、VMware Virtual SAN(VSAN)がオススメ!」ということで、VSANの特徴とメリットもご紹介。

複数のサーバーの内部ストレージ(HDDやSSD)を仮想的に連結して共有ストレージとして利用するVSANの主なメリットは次のとおり。

  • 内部ストレージで構成された「共有ストレージ」を丸ごと保護
  • SANスイッチや各サーバーごとのSANホストバスアダプターが不要
  • 当然、SAN接続の外部ストレージ装置も不要
  • 内部ストレージのメーカーや容量がバラバラでもOK
  • ソフトウェアで保護・管理するのでRAIDやLUNの概念がなく、VDI環境構築で最も時間がかかる、ストレージ関連の設定作業が不要
  • リソースの増強は内部ストレージごとサーバーを追加するだけでほぼ完了
画像: 従来の共有ストレージ構成とVSAN構成の比較。VSANはサーバーの内部ストレージ(SSDやHDD)を1台のストレージに見立てて利用するので、外部ストレージはもちろん、接続ケーブルやHBAも不要

従来の共有ストレージ構成とVSAN構成の比較。VSANはサーバーの内部ストレージ(SSDやHDD)を1台のストレージに見立てて利用するので、外部ストレージはもちろん、接続ケーブルやHBAも不要

このように、VSANならハードウェアや面倒な設定作業を削減できるため、VDI環境の構築において、従来の共有ストレージ構成に比べ、投資コストの大幅な抑制が期待できます。

VSANのメリットはこのほかにもありますが、詳しくはVMwareのサイトをご覧いただくとして、このように理想のテレワーク環境の実現のために、さまざまな課題を、Office 365、uniConnect、ThinBoot ZERO、そしてVMware VSANで解決しましょう!……という内容でした。

あ、それと、ただいまS&I では、 すぐに始められるVDI on VSAN環境のスターターパックを特別価格でご提供する、『VSAN Ready Go! キャンペーン』を実施中です。100ユーザー、300ユーザー向けのVDI on VSAN環境まるごとに、さらにマイクロソフトのVDAライセンスも加えたお得なオールインワン・パッケージをご用意しています。詳しくは下記リンク先をご覧ください。

『VSAN Ready Go! キャンペーン』

Lotus Notes から Office 365への具体的・実践的なマイグレーション

さて、なんだかメアド欄に「age」とわざわざ入力したかのような Office 365推しの本セミナーですが、今回はそれがテーマみたいなものなので(笑)その辺のツッコミはご容赦いただくとして、この日最後のセッションは、企業内のレガシーなプラットフォームを Office 365へ移行(マイグレーション)する手法についての解説を、FPTジャパン(株)が担当しました。

FPTジャパン(以下、"FPT")は、ベトナムのソフトウェア企業「FPTソフトウェア」の日本法人で、ベトナムの巨大ITコングロマリット「FPTコーポレーション」のグループ企業です。FPTコーポレーションの傘下には、ほかにもITデバイスの開発・販売、システムインテグレーション、通信、コンテンツ制作などのグループ企業がありますが、ちょっと変わったところで、IT専門の「FPT大学」も運営しています。このFPT大学では、学生らにIT関連の専門知識とともに外国語を徹底的にたたき込み(英語は必須で、さらに英語以外の外国語を学ばせる)、ベトナム国内のみならず、海外のIT企業にも優秀な技術者を数多く輩出しているそうです。もちろん日本語教育にも力を入れており、FPTソフトウェアは同大学出身の技術者らのITスキルと日本語能力を生かし、日本企業からのシステム開発受託によって急成長を続けています。

FPTによる開発作業は、日本語が堪能なベトナムのブリッジSEや現地担当者などが仲介し、段階ごとにリソース配分を最適化しながら、主にベトナム国内で作業を進めていきます。聞くところによれば、ベトナム人の平均年収は20万~30万円程度で、物価も日本人の感覚なら365日激安爆安大バーゲン。人件費や経費が日本や他のアジア諸国よりも格段に安く、高い価格競争力でコスト効果に優れたアウトソースを提供できるという強みを持っています。

画像: クラウド移行段階ごとのアプローチ方法。対面が必須の作業はオンサイト、解析や分析などのリソースが必要な作業はオフショアで、場所とリソースを使い分けて進めている

クラウド移行段階ごとのアプローチ方法。対面が必須の作業はオンサイト、解析や分析などのリソースが必要な作業はオフショアで、場所とリソースを使い分けて進めている

おっと。開発、開発とばかり説明してきましたが、マイグレーションの話でしたね。この日はNotesからOffice 365への移行を例に、その具体的な方法や手順が紹介されました。
Notesのディスカッションや文書を含むコンテンツの移行はかなり大変な作業です。また、コンテンツだけでなくメール環境も移行したくても、標準では Exchangeへ移行する機能はありませんし、そのメールもNotes上で表示したときのように、色や飾り文字、罫線枠なども再現できていないといろいろ困りますよね。さらにディレクトリー情報も一緒に移行したいけど、IDファイルが肥大化しすぎて手動では無理……というわけで、FPTの出番というワケです。

FPTが開発したマイグレーション用のツール/ユーティリティー群「Citus Migration Suite」を使えば、NotesからOffice 365へのデータ自動変換Notesデータの自動標準化(冗長データの削除等)、リッチテキスト等の自動変換など、手動ではとうてい無理ゲなNotesデータの変換を平然とやってのけるッ!そこにシビ…(以下、略)

画像: Lotus Notes から Office 365への具体的・実践的なマイグレーション

例えば、NotesからOffice 365(SharePoint Online)に移行する場合も、メール本文、書式、添付ファイル、リンク、インライン画像、表データ等、Notesクライアント上での見た目そのままに、Office 365でも見られるようになります。
また、Office 365以外のデータベースにも移行できますし、Office 355以外のDBからの移行も、APIをカスタマイズすることで対応可能です。

このほか、評価・移行・完了の3段階で実施される、Notesメールの移行アプローチとオフショアでの作業内容や移行のタイミングなどの解説や、国内企業での事例の紹介など、最後まですべて説明しきれないぐらい盛りだくさんな講演でしたが、とにかく、レガシーなシステムを塩漬けにするぐらいなら、経験豊富でお得なマイグレーションを提供するFPTにおまかせを!……ってなカンジでした。
あ、そうそう。ついでですけど「お問い合わせはS&Iさんまで」と、さりげなくパートナー企業を立てていただき、ありがとうございました(笑)。


Office 365、uniConnect、ThinBoot ZERO、VSAN、そして、レガシーシステムのマイグレーション。この日、テレワーク導入のための課題を解消する、さまざまなソリューションやサービスについてご説明しましたが、S&Iはパートナー企業と協力し、テレワークの導入・普及のための最新情報や事例を紹介するセミナーを今後も開催予定です。今回のセミナーに参加できなかった方も、テレワークの導入とライフスタイルの変革に関心をお持ちでしたら、ぜひセミナーにいらしてください!

今後開催予定のテレワーク関連セミナー
◆2016年11月17日(木) 開催:
『“セキュリティー対策”が命運を分ける。安全性と投資対効果を両立するテレワーク環境とは?』
 ☞ 詳しくはこちら
 
◆2016年11月30日(水) 開催:
『TCO削減と生産性向上を両立!理想的なテレワーク環境を実現するモバイルシンクライアントシステムとは?』
 ☞ 詳しくはこちら


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