この記事では、今年で14回目となるMCPC awardの受賞プロダクトの中から、印象に残ったものを2回にわたってご紹介していますが、今回はその2回目。MCPC awardが何なのかという話は、前回の記事や昨年の記事を見てもらうことにして、さっそく続きのご紹介です。
 
前回は記者の持病の "オラナンダカワクワク病"が発症しそうだったので、今回は「○○モード」というキーワードを封印して臨みますが、「記事が分かりにくいからフキダシで囲んでくれ」という苦情ご要望には、ブログシステムの仕様上対応できませんでした。悪しからずご了承ください。

労働階級を王侯貴族に格上げする、3年連続受賞のクラウド型MDMサービス

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を仕事で使うとき、管理者は既定のアプケーション、既定の端末設定、セキュリティールールに沿って、社員に配布する端末をキッティングしていくわけですが、端末が10台や20台ぐらいならまだしも、数百台、数千台、数万台にも達すると、キッティングが完了するまでに長い期間を要するため、きっと途中で放り出したくなることでしょう。
そんな問題を解決するのが、プロバイダー部門で優秀賞を受賞した、BizMobile株式会社の「BizMobile Go!」です。BizMobile Go!は、2015年の優秀賞、2014年の優秀プロダクト賞に続き、3年連続での受賞となるわけですが、名前が某ゲームに似てるとか言っちゃダメですよ。「Go!」しか共通点ないですし、発表もBizMobile Go!の方が先なんですから。

BizMobile Go!は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスの一元管理が簡単にできる、クラウド型のMDM(モバイルデバイス管理)サービスです。MDMですから、管理対象となるデバイスの利用状況や紛失・盗難対策、不正アクセス防止などの機能を提供するものだということは想像できると思いますが、BizMobileは古くからこの分野に参入してきただけあって、一般的なMDMにはない「仮想デバイス同期機能」「テンプレート機能」という二つの大きな特徴を持っています。
まず、仮想デバイス同期機能。これは管理者側で設定した内容を仮想デバイスに送り、さらに仮想デバイスと各モバイルデバイスを自動的に同期させる機能です。
もう一つのテンプレート機能は、設定(プロファイル)、アプリケーション、コンテンツ、電子証明など、配布したいものをあらかじめ登録することで、仮想デバイス同期機能の同期対象にできます。
これら自動同期とテンプレートの機能を組み合わせ、仮想デバイスと実デバイスの同期を自動的に繰り返すことで、管理者はアプリ配布状況の確認や再配布の作業から解放されることになります。また、部署や職種ごとに配布する内容が異なる場合は、テンプレートを複数用意して、配布先と各テンプレートをひも付けておけばOK。

画像: BizMobile Go!では、管理者がテンプレートに登録した設定やアプリ等が仮想デバイス上に生成され、さらに仮想デバイスと実デバイスを同期することで配布される

BizMobile Go!では、管理者がテンプレートに登録した設定やアプリ等が仮想デバイス上に生成され、さらに仮想デバイスと実デバイスを同期することで配布される

BizMobileによれば、数万台規模のモバイル端末への自動設定とアプリケーションのサイレントインストール(無人インストール)に要する時間は「約2時間」。自動化にかかる運用コストは、AWSへのリソース追加分だけ(ほとんどタダ)だそうで、1台ずつ手作業でキッティングすることを考えると、雲泥の差、クジラとイワシ、提灯に釣り鐘…とにかく管理者の負担が劇的(げきてき)にdramatic(ドラマチック)に顯著(シャンズー)に減るのだとか。

また、アプリとMDMとの間の双方向通信による、機能制限の自動制御という離れ業も持ってます。
通常のMDMでは、MDM側で設定した機能制限が端末側にそのまま反映され、端末側からは解除できません。例えばMDMでカメラの使用を禁止したら、MDM側で解除するまで端末のカメラはずっと使えません。
BizMobile Go!は、MDM機能をAPI化しているため、アプリケーションから人手を介さずに、特定の場所や時間で、機能、アプリ、およびコンテンツの制限と解除ができます。例えば、社内が撮影禁止の会社なら、社内の無線LANのSSIDを検出している間はカメラ機能を制限する設定が可能になりますし、就業時間中は業務アプリ以外が使えないようにする設定もできます。これが運送業や旅客運送業に普及していれば、スマホゲームが原因のわき見運転が減るのではないかと。

そのほかにも、端末の「jailbreak」(俗にいう"脱獄")や「root化」を検知・通知する機能、異常や問題のある端末(ヤバそうなアプリが入っている、想定外の場所で利用されている等)をダッシュボードに一覧表示し、該当する端末を一括してロックして、すべての情報または企業が所有する情報だけを消去(ワイプ)する機能も備えています。

このように、BizMobile Go!なら、モバイル端末の設定やアプリの配布、機能制限、セキュリティー対策等が、きめ細かく、それでいて簡単にできるわけです。それも何千、何万もの端末に対し『押してみよう ポチッとな!』だけで適用されるのですから、気分はもう専制君主。王様気分で仕事ができて、しかも短時間でとっとと終わっちゃうなんてうらやましい。記者の仕事も『ポチっとな!』で終わってくれれば楽なんですけどねえ…。

IoTの「要」となる通信環境を、格安SIMとクラウドで提供

今年は「IoT元年」なんて呼ばれていたので、流行語大賞でもきっと「IoT」が登場すると思っていたのに、ノミネートさえされませんでしたね。もしかして、略語に聞きなれすぎて省略前の名前が思い出せないとか、「モノのインターネット」という10人中9人の頭の上に「?」が浮かぶような訳語のせいで、印象が薄くなってしまったのでしょうか。でも、その結果のあの騒動を見ると、案外鉛筆やダイスを振って決めているのかも知れません。「3d6」とか「1d20」とか。あとダーツ投げちゃうとか。
それはさておき、IoTがインターネットにつながるためには有線なり無線なりの通信手段が必要なわけです。しかし、デバイスの数が増えれば増えるほど、通信回線、無線(Wi-FiやBluetooth等)、ネットワーク構築などの環境整備が複雑化し、手間とコストがかさみます。デバイスが何百個もつながっていたら、設定作業だけで悲鳴が聞こえてきそうです。
そんな悩みを解消するソリューションが、今回プロバイダー部門でグランプリを受賞した、株式会社ソラコム(※)のIoT通信プラットフォーム「SORACOM」です。
※以下、会社名はカタカナで「ソラコム」、ソリューション名は英字で「SORACOM」と表記します。

ソリューションの概要を見ると「モバイル通信とクラウドを融合したIoTに特化した通信プラットフォーム」と書いてあるのですが、これってカンタンに説明しちゃうと、ソラコム自身がMVNO業者となってIoT機器向けの格安SIMを提供、SIMが入った機器の監視・管理のほか、データ通信、ネットワーク、データ転送、認証サービスなどをクラウドで提供する、ってこと。クラウドと基地局の間はセキュアな専用線でつながっているので、インターネットを介さず通信できるし、ネットワークをクラウド上にソフトウェアで実装しているので、わざわざ環境構築しなくても、サービスに申し込んでSIMを入れるだけで、すぐに使い始められるところがワクワクポイントってわけです。

画像: 「SORACOM」のサービスイメージ。通信会社の基地局から専用線経由でSORACOMのクラウドにつながるので安全性が高い。

「SORACOM」のサービスイメージ。通信会社の基地局から専用線経由でSORACOMのクラウドにつながるので安全性が高い。

しかも料金が格安。ベースとなる格安SIMサービス「SORACOM Air」の料金は、日本向けSIMの場合、基本料金が1日1枚10円、データ通信料は1MB当たり上り0.2円/下り0.6円からの従量課金。例えば、1日に上り/下りで各10MBずつ、計20MBのデータ転送をする場合、データ通信量はわずか8~13円/日(税別、速度プランによる)。基本料金を加えても18~23円(税別)。IoT機器が10台あればその10倍で、さらに10台×1か月分なら3,240円(税別)です。データ転送が夜間だけならさらに安くなります。また、SIMは1枚から、期間は1日から利用できて、契約の『縛り』もないので、アイデアがひらめいたら契約して、ひととおりテストが終わったらすぐに解約できますし、とても手軽なんです。

さらに、プラットフォームのAPIが公開されていて、プログラムからAPIを経由してコントロールできることも特徴の一つ。ユーザーがWebからアクセスしなくても、通信のオン/オフはもちろん、回線自体の初期設定、セキュリティー設定、条件処理などを自動化できます。例えば、昼間はデータの測定だけで、夜間にデータを送受信させれば通信料金を節約できますし、APIからはSIMの認証(アクティベート)も可能なので、SIMを入れたIoT機器をWeb経由で認証させなくても、イベントハンドラーを使って、SIM入りのIoT機器を設置して使用開始(通信開始)したときに認証させるような仕掛けもできます。API経由でできることを組み合わせていくと、応用範囲はさらに広がります。

ここまで安くて便利なら、IoTシステムの設定、配線、ネットワーク構築や運用管理の手間とコストを考えれば、もうこっちに置き換えた方が楽かも知れません。ソラコムのサイトで導入事例を見ても分かるとおり、じつにさまざまな用途に使われています。まるで、誰と踊っていてもサマになる超・一流ダンサーのような汎用性。グランプリを受賞するのもうなずけます。

最近では、S&Iのグランパ グループ企業・日本ユニシスのクラウド型映像監視サービス「スマートユニサイト」でも、モバイル通信のプラットフォームにSORACOMが採用されました。スマートユニサイトは、例えば踏切や駐車場などの無人設備の監視や、建築現場などの遠隔監視のサービスなのですが、屋外環境にも耐えられるタフなカメラが必要だということで、ライブロックテクノロジーズのIoTゲートウェイ「CoralEdge」を内蔵した一体型カメラを開発。ここにSORACOM Air(SIM)を入れて、モバイル回線と専用線を経由して、ユニシスが管理やログの活用などができる機能を追加した映像監視アプリケーションにより、お客様に現場の映像をを見せるというサービスです。

画像: 「スマートユニサイト」のサービスのイメージ。モバイル通信の部分にSORACOMを採用している。

「スマートユニサイト」のサービスのイメージ。モバイル通信の部分にSORACOMを採用している。

これは、ただ遠隔地の監視映像が見えるのではありません。デバイスとなるカメラは電源さえ取れればどこにでも設置できますし、SORACOM AirのSIMが入っているのでネットワーク工事は不要。IoTのプラットフォームとしてクラウドを活用し、カメラを設置するだけで使えるようにしたところがポイントなのですが、こういうところにさり気なく取り込めるというか、コラボできちゃうのも、SORACOMの魅力の一つなのでしょう。


いかがでしたか?いずれも受賞にふさわしい優れた機能やサービスを提供してくれるソリューションでしたが、直接関連のない分野のことでも、想像しただけで思わず胸がときめくというか、熱いものがこみ上げてくるというか…あ、二日酔いではありませんよ。とにかく、今ここに「へぇボタン」があったら確実に「15へぇ」以上は入れてしまいそうだと、(個人的に)そう感じたものを選んで紹介してみたつもりです。
モバイルシステムは、3G回線が主流だったころよりも大きく進歩し、同時に急速に変化し続けています。来年のMCPC awardでも、モバイルシステムの活用によって、実務や実績、社会貢献度などで高い成果を挙げた製品・サービスが選出されますが、今年以上にワクワクでドキムネで、今すぐ採用したいポチりたい!! と思わせてくれる製品やサービスが登場することを期待しましょう!

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