冬です。馬です。鍋の季節です。有馬記念です。12月です。今年も残りわずかです。馬です。忘年会シーズンです。馬です……ちょっとJ#Aの工作員に両手をハックされましたが、今はもう落ち着きました。大丈夫です。

改めて、今年も残りわずかです。忘年会シーズンです。
編集部の会議中に、急に「何か温かいものでも食べたいよね~」という話が出て、「それならカフェサンのネタにしない?」、「イイネ~」、「はい、決まり。じゃ、どこにしようか?」…と、トントン拍子で決まったのが、今回ご紹介する『馬喰ろう』人形町店です。

最初に馬を食べ始めた野郎はどこのどいつだ!! ホメテツカワス!

お店の名前は「馬喰ろう」と書いて「ばくろう」と読むそうです。読んで字のごとく、馬肉の専門店。場所は日比谷線人形町駅の近くで、以前カフェサンでも紹介した「福そば」のはす向かい。この周辺は、親子丼、洋食、フランス家庭料理、しゃぶしゃぶ、そば、ビーフカツ、焼き鳥など、いずれ紹介する予定なので今は店名は伏せますが、新旧の名店がそこかしこに点在していて、目的地を決めずに歩くと、どこの店で食べようか悩ましくなる界隈だったりします。

記者・注 人形町から北に15分ぐらい歩いたところに「馬喰町」(ばくろちょう)という町があるので、お店と何か関係があるのかと思っていたのですが、特に関係はないようです。ちなみに「馬喰町」はもともと「博労町」という、幕府の馬と馬場の管理役「博労」の頭領がいたことが由来で、馬は関連しているものの馬を食べることとの関連性は不明です。

赤い壁とライトアップされた入口。そして看板の上の桃色の灯火は、中央に「肉」と書かれた桜の花の看板。どこかの星のダメ王子の額のマークではなく、「桜+肉=サクラ肉=馬肉」という意味です。
外観から想像できるとおり、店内も和風の趣。これでインテリアがアメリカンだったら逆に驚いちゃうところですが、和風と言っても定式幕のような壁紙のせいか、傾奇(歌舞伎)っぽい感じの、お江戸でお東京な雰囲気を演出しているザマス。小上がり風のシェージュ・デ・ジャポネ(座敷)のほかにコンプトア(カウンター席)もあって、お一人様でもOKザマス。
ちょっとおフランスな工作員に両手をハックされましたが、今はもう落ち着きました。大丈夫です。
まずはビールとお通しでカンパイ。お通しは写真のような野菜スティック。馬肉の肉みそとクリームチーズが添えられていましたが、馬肉と一緒にニンジンも食わせようというのか、それとも傾奇っぽい雰囲気なのでカブを盛ったのか、どっちでもいいけど、ポリポリ、ウマウマ…ヒヒン…。

画像: お通しは野菜スティック。馬肉の肉味噌とクリームチーズ味噌を乗せて食うべし

お通しは野菜スティック。馬肉の肉味噌とクリームチーズ味噌を乗せて食うべし

画像: 生ビールの「歌舞伎者ジョッキ」。大ジョッキのことだが、こういう大げさなものをさも平然とあおるところから命名されたんだろうなあ、と勝手に想像

生ビールの「歌舞伎者ジョッキ」。大ジョッキのことだが、こういう大げさなものをさも平然とあおるところから命名されたんだろうなあ、と勝手に想像

馬肉料理といえば、やっぱり最初に連想するものが馬刺し。熊本と長野の馬刺しは特に有名ですが、この「馬喰ろう」は馬肉卸の直営店なので新鮮な馬肉がウリで、もちろん馬刺しも看板メニューになっています。
馬肉ってサシが入っていても、そのまま口の中でとろけるのがイイんですよね。それでいてさっぱりしていますし。赤身が多く部位も、獣肉の匂いと感触とともに、自分が食物連鎖の上位に君臨したかのような満足感さえするのですが、私だけでしょうか。
今回は馬刺しの盛り合わせとたたきを注文しましたけど、霜降り、フタエゴ(肩からバラの辺り)やコウネ(たてがみの辺り)など、ほかの部位も注文できますよ。

この「馬喰ろう」は、「馬刺しだけが馬肉料理じゃない!」ということで、馬肉のいろいろな食べ方を提案するためのお店として開店したそうなので、馬刺し以外のメニューも豊富なんです。例えば、馬肉の唐揚げ、馬肉の餃子、馬肉のメンチカツ、って、なんか「ゴムゴムの…」って言ってるみたいなので以下省略しますけど、寿司、サラダ、ソーセージ、ステーキ、煮込み、つくね焼きなど、おなじみレシピに馬肉を使ったメニューがてんこ盛りです。
ただ、今回取材に出かけたメンツが、そろいもそろって小食なので、多くのメニューを注文できなかったことが残念…って、取材のはずだったよね、これ?なんでもっと注文しなかったんだ?

じつは数少ない東京の郷土料理。それが「桜鍋」

そういえば、もともと温かいものが食べたいということで選んだお店なのに、刺身ばかりでは身体が温まりません。お酒は結構飲みましたけど「鍋食おうよ、いっちゃおうよ」ということで、名物の桜鍋を注文です。

もう写真を見て想像がついていると思いますが、桜鍋とは、すき焼きに似た甘辛い味付けで野菜と一緒に馬肉を煮込んで食べる料理です。馬肉の本場・熊本や長野では名物料理になっていますが、もともとは東京・吉原の色街で生まれた郷土料理。文明開化の時代、遊び人らが遊郭での支払いを、乗って来た馬を売って工面したまではいいものの、おカネよりも馬ばかり増えて商家が困っていたところ、横浜では牛鍋が評判だと聞き、それなら馬鍋もアリじゃね?ということで始まって、吉原の名物になったのだそうです。その後、吉原の衰退とともに桜鍋屋も廃れてしまい、東京で桜鍋を供する店はごくわずかとなっていたのですが、最近はここ「馬喰ろう」のチェーン展開などもあって、東京の桜鍋に復権の兆しが…なんてェ話を聞いちゃァ、余計にヨイショしたくなるってェもんだぜ、べらぼうめェ!! ささ、食いねェ食いねェ、馬肉食いねェ!!

そんな感じで、アツアツの鍋の中でしゃぶしゃぶしたやわらかい馬肉を胃袋に収めて、ビールで喉をキーンと締めて、「ウマいぜ、ゲハハハハ!!!」と理性を忘れてバカ笑いして、また馬肉に箸を伸ばしてしゃぶしゃぶしゃぶ…おそらくバカ笑いの部分以外は、きっと共感していただけることでしょう。

画像: 馬喰ろう特製(?)「ケッコー ウマ 醤油」と「 うま 味唐からし」。「 B&B 」は「バ&バ」だろうか?七味唐辛子発祥の薬研堀にも近いこの地に、オリジナルの七味唐辛子で切り込んでくる大胆不敵さがヒヒヒーン

馬喰ろう特製(?)「ケッコーウマ醤油」と「うま味唐からし」。「B&B」は「バ&バ」だろうか?七味唐辛子発祥の薬研堀にも近いこの地に、オリジナルの七味唐辛子で切り込んでくる大胆不敵さがヒヒヒーン

ただ、前述のとおり、記者も含めた全員が小食だったもので、この桜鍋を食べたところでもう満腹。雑炊やうどんでシメるほどの余裕もありませんでした。もっといろいろと食べてみたかったのですが、また別の機会にチャレンジしてみます。

そういえば、お店の中の掛け軸に、「馬肉は高タンパク、低脂肪、低カロリー、低飽和脂肪酸」と書いてありました。昔から疲労回復と貧血の改善に優れていると言われていますが、「馬喰ろう」の調べによれば、カロリーは牛肉や豚肉の1/3~半分程度、脂肪分は1/10~1/5程度、グリコーゲンが約3~5倍で、鉄分は約4倍ということですから大したもんです。コラーゲンが豊富という話も本当なのですが、体内へはアミノ酸として吸収されるので、こちらは期待しない方がいいでしょう。

食事と会計を済ませて、コートを着て店を出たときに、店員さんが何かを手渡してくれまして、何だろうと思って見てみると、手の中には小さな使い捨てカイロが。記者らが席を立つ前から開封して準備してくれていたのでしょう。既に体温よりもずっとポカポカな温度に達しています。
アノですね、アノですね、えーと、アノですね……あったけェぞ、ちくしょーメ!! 桜鍋よりもあったけェたぁ、どういう了見でぇっ!! 大の男を泣かせやがって、このスットコドッコイのステレンキョーめぇ!!!!……と、予想外の粋な計らいに、帰りの地下鉄の車内でウトウトし始めるまで、桜鍋よりも使い捨てカイロよりも、何よりも記者の心の方が温かくなった、冬のある日の宴の晩でした。

馬肉酒場 馬喰ろう(ばくろう) 人形町店
東京都中央区日本橋人形町1-8-7
営業時間:17:00~23:29(平日)、15:00~22:00(土曜) ※日曜・祝日は定休日

※使い捨てカイロのサービスが毎回必ず提供されるかどうかは不明です。

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