そんなことより、聞いてくださいよ。この前、洋菓子店行ったんです。洋菓子店。
そしたら人が行列作ってて、みんなずっと直立不動なんです。
で、よく見たら小さなサインボードに『~シュークリーム販売時間~ 1回目 9:30、2回目 12:00』とか書いてあるんです。もうね、俺かと。自分かと。

…と、人がいっぱいとか、看板や横断幕などの話を聞くと、つい吉野家コピペに絡めたくなる記者です。記者個人の性格のことはさておき、今回は人形町のお店で買える、おいしいシュークリームをご紹介。もちろん、革靴用のクリームのことではありませんよ。

おフランスでは「シュークリーム」とは呼ばないんザマス

【シュークリーム】
シュークリームは、洋菓子の一種。生地を中が空洞になるように焼き、その空洞にカスタードクリームなどを詰めるのが標準的である。(Wikipediaより)

Wikipediaのページを開いちゃったのなら、その歴史や種類について自称・フランス帰りのピエール氏に語ってもらうまでもありません。普通の日本人が連想するシュークリームは、本場フランスでは「シュー・ア・ランシエンヌ」(昔ながらのシュークリーム)と呼ばれる、シュークリームの中でもちょっとクラッシックな部類らしいです。しかし、そこは魔改造を得意とする日本の職人のこと。常に改良・改善を怠らず。本気で本場を超えようとしちゃいます。
今回ご紹介するのは、人形町にある人気洋菓子店「シュークリー」(Sucre-rie)のシュークリーム。開店と同時に即完売となる幻のシュークリーム(魔改造済み)をどうにかゲットしようと、朝早くお店を訪ねてみました。

ここ、シュークリーのシュークリームは、毎日の焼き上がり時間に合わせて、開店時間の午前9時30分と、正午、および午後3時の3回販売されます。数に限りがあるのですが、事前にネットで調べたところ、朝は70個、昼と午後は130個ずつの販売らしく、そのわずかな数の一部だけでもゲットしようと、販売開始前からお店の前に行列ができます。
※販売数はお店の都合により変わる場合があります。また、30個以上購入する場合は、前日までに予約すれば並ばずに買えます。
 
3月下旬のある日、朝9時にお店を訪れてみると、開店30分前にも関わらず既に4人のお客さんが店の前に並んでいました。記者は5番目でしたから、前に並ぶお客さんたちが何十個も買って行かなければ大丈夫そう。ひとまず安心して行列に並んだものの…寒い…。日に日に暖かさが増してきたとはいえ、朝はまだまだ冷え込んでいて、さらに並んだ場所も日陰。凍えるほどではないにせよ、寒いのでコートに手を突っ込んだまま、開店時間の9時30分を待ちます。
 
開店20分ぐらい前になると、店員さんが並んでいるお客さんたちに、何個ずつ購入予定かを尋ねに来ます。先頭のお客さんから順に、4個、7個、3個、6個…と答えているのを耳にして、ゲットできると分かった途端、「じゅ、10個ください!」と、声を弾ませながら店員さんに伝えました。

「午前9時30分。開店のお時間=売り切れのお時間です」

開店時間になり、行列の先頭から店内へ。先ほど申告した購入数を確認しながら、シュークリームを箱詰めしてもらって受け取ります。

そして、記者の番が、ついに記者の番が……き、き、来ましたっ!

店員「お客様は10個ですね?」
記者「はっ!自分は10個買うであります!」
店員「どれぐらいお持ち歩きになりますか?」
記者「20分ぐらいであります、Ma'am!」

こんな軍隊調の話し方ではなかったはずですが、無事に買えた安心感から、どんな口調だったのか覚えていません。とにかくS&Iの社屋までは少し離れていたので、保冷剤も入れてもらいました。
ちなみに2時間以上持ち歩く、つまり、冷蔵庫に入れるのが2時間以上先になる場合は、無料の保冷剤だけでは足りなくなるので、保冷剤を追加してもらいましょう(保冷剤の追加は有料)。

こうして「シュークリー」のシュークリーム×10個をゲット。全部自分で食べるわけではないのですが、ひとまずミッション成功です。お店を出たころには、すでに入口に「シュークリーム完売いたしました」というプレートが。「即完売」の噂は本当ですからね。

いよいよご開帳。香ばしい香り漂うシュークリームが「こんにちは」

さあ、無事に持ち帰ってきたので、さっそく箱を開けてみましょう。ドキドキ…

何の変哲もない、普通のケーキ屋でもよく見かける底の深い無地の箱。フタを開けてみると、フンワリとしたクリームと香ばしいゴマの香りとともに、ギッシリと詰め込まれたシュークリームがこんにちは…。

え?パンに見える?まんじゅうに見える?巨大たこ焼きに見える?…確かに、写真だとそう見えても仕方ないかも…。でも、シュークリームなんです。これ、シュークリームですってよ、シュークリーム。あらまあイヤね、シュークリームだわよ。って、ホラ、やっぱりシュークリームでした。
おフランスのシュー・ア・ランシエンヌを日本のパティシエが魔改造した結果が、このパンのような、まんじゅうのような、巨大たこ焼きのようなシュークリームです。なんか魂コモッテルゼ感が漂ってない?熱血とか情熱とか、匠のこだわりみたいな感じが…しない?あ、そう…。たとえ何も感じなかったとしても、これだけは言わせてください。『フタを開けたときのすっげーウマそうな香りは、紛れもないシュークリーム』なんだってことを。

シューの上半分には、ゴマが敷き詰められていて、その上に粉砂糖がかかっています。
下半分は紙で包まれていますけど、どうなっているのかな?と思って紙を取ってみたら、シューの底にカスタードクリームがたっぷり付着していました。おそらくここからクリームを注入したのでしょう。さてはこの中に人質(クリーム)を閉じ込めているに違いありません。撮影しようと思って底から持ち上げようとしたら、指にクリームがべったり付いて、あわててナメナメ…お、ふんわりしてるのに、ほど良い甘さ!

緊急指令!カスタードクリーム姫を救助せよ!!

もう、こうなったら止まりません。一刻も早く味わいたい…人質を救出するために、機動隊が強硬突破。ゴマをまとった固めのシューの装甲を破って二つに割ったら、中からふんわりなめらかなカスタードクリームが、あふれ出さんかとばかりに出てきました。よく鯛焼きのあんこの量を「尻尾まで入っている」と表現しますが、このシュークリームのクリームの量は「シューの中の空洞に充満している」でしょうか。なんだか別の意味でヤバいです。なにしろ、こんなに柔らかそうで甘い香りのカスタードクリーム姫を大量に閉じ込めていたのです。悪い子です。ケシカランです。ちょっとお仕置きが必要なので食べてやることにしました。
※普通はシューを上下に分けるように二つに割るのですが、本記事では断面をお見せするために縦に割っています。

大変だ!二つに割ったシューの断面から、カスタードクリームが重力に逆らいきれずに今にも地上に落ちてしまいそうだ!! しばし待たれよ、カスタードクリーム姫。直ちにおすくいいたします!! というわけで、ちぎったシューですくっては食べ、すくっては食べ、すく食べ、すく食べ……おっと、話を忘れるぐらい夢中で食べてしまいました。
 
このゴマと粉砂糖がかかったシューの上部は、一般的なシュークリームと違ってもっちり感はなく、『ザクザク』っとしたパイ菓子のような食感。指でつまむと割れるようにちぎれます。
シューのかけらでクリームをすくって一緒に口の中へ入れると、ゴマの香ばしい香りが口の中いっぱいに広がりながら、カスタードクリームの柔らかさとしっとりとした甘さが、お口を封鎖して籠城し始めます。むー、んぬうんにんぬーぬんにー……【しゃべれないので封鎖解除】……でシューとクリームが口の中で一緒に踊ってんの!? いつの間にそんな仲に?と嫉妬しちゃうぐらいオイシイわけですよ。分かりますでしょうか、伝わりますでしょうか。そもそもカスタードクリーム姫を閉じ込めてしまうなんて、じつにケシカランわけです!! そんなわけで、ちょっとシューのやつをすべて食べ(成敗し)てきますので、以下、コメント省略です。

恐れるな。悲しむな。シュークリームなしでも行ってみよう!!

こうして勇者(記者)はカスタードクリーム姫を失いながらも、ゴマ&粉砂糖シュー大王を征伐しました。1個240円(消費税込み)の大ぶりなシュークリームを胃に収めた満足感はあったものの、同時に喪失感もあり、また買わずにはいられなくなりました。でも、即完売の人気商品なので、平日の朝や昼間などに行列する時間が取れるときだけに限りますね。
もちろん、これだけ味わい深いシュークリームを作るパティシエなので、お店には『金座通りのフロマージュ』(チーズケーキ、320円)『人形町ロール』(ロールケーキ、1,430円)プリンマカロンなど、シュークリーム以外のタレントもそろっていて、いずれも人形町のお土産にピッタリ。でも、もしお店の前で行列を見かけたら、個人的にはシュークリーム以外の選択肢はなくなりますけどね。これは譲れません、ハイ(笑)。


シュークリー(Sucre-rie)
東京都中央区日本橋人形町1-5-5 セントハイム人形町源 1F
電話:03-5651-3123
営業時間:月~土 9:30~19:00 (日曜定休)
※シュークリームの販売は9:30、12:00、17:00の3回。30個以上購入の場合、予約購入可(前日までに予約)。

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