3か月ほど前、記者が愛用しているキーボードと、それまで使ってきたレトロなキーボードのコレクションを紹介する記事を掲載したところ、大反響…というほどでもないのですが、それなりに好評だったようで、おかげさまで、またキーボードネタを書くことになりました。
しかし、前回、8モデルしかない「IBM 5576系」キーボードの中から、レア度が高い4台を紹介するという、大地に立つと同時にラストシューティングしちゃったような感じの終わり方をしてしまったので、続きはちょっと無理っス。しかも、もともと書いた内容の半分以上が大人の事情でカットされたTinyバージョンだったので、伝えたいことも半分以下。本当は"記者はもっと語りたいモード"だったので、最初から2部構成のネタにすればよかったと後悔しています。
キーボードネタ、第2弾。お題は「テンキーレスキーボード」で、たっぷりお届け
というわけで、今回は基本的にカットなし!と言いますか、途中でストップがかかることも見越して、2部構成にできるぐらいの壮大なスケールとボリュームでお届けしちゃいます。
前回ラストシューティングしちゃったけど、それはレトロキーボードの話ということで、今回はテンキーレスキーボードの話題。またしても記者のコレクションの中から、いくつか蔵出しして持ってきましたので、ちょこっとご紹介します。
さて、テンキーレスキーボードって、名前のとおりフルキーボードからテンキーを省略したキーボードで、一般的には省スペース向けという扱いになっています。もともと数字キーはあるのですから、テンキーレスでも困るわけではありません。なにしろ、ノートPCの多くはテンキーレス。ユーザー数だけならフルキーボード派よりも多いかもしれません。
でも、記者は普段からノートPC(ThinkPad)にわざわざフルキーボードをつないで使っている、フルキーボード派。しかも日本語A配列124キーボード大好きっ子という偏った趣味の持ち主なので、今回は紹介するテンキーレスキーボードの感想が記者の主観だけに偏らないよう、普段ノートPCしか使っていないS&Iの社員3名(Mさん、Tさん、およびIさん)にも触れていただき、それぞれ感想をもらってみました。
これぞメカニカル!カチャカチャうるせえ正統派!(笑)
ダイヤテック FILCO Majestouch FKBN91MC/NB (メカニカル式・CHERRY MX 青軸)

メカニカルキーボードの人気ブランド・FILCO「Majestouch」の青軸テンキーレスモデル
一番手はダイヤテックのFILCO Majestouch(マジェスタッチ)シリーズ。スイッチに独・ZF Electronics社の「CHERRY MX」スイッチを採用した、人気の高級キーボードシリーズです。通称は「マジェ」または「マジェス」。スイッチの『軸』の色によって「青マジェ」や「黒マジェ」などと呼ぶ人もいます。
このキーボードに使われているスイッチは、CHERRY MXスイッチの中の「タクタイルクリックタイプ」、通称「青軸」モデル。キーを押すとメカニカルスイッチ特有の「カチッ!」という音がします。しかも音が甲高くて軽いので、連続してタイプすると「カチカチカチ…」と、結構うるさいんですよね。前回紹介したアルプス製の板バネスイッチと比べると、ピアノ協奏曲とヘビメタぐらいの差があります。普通に文章を入力しているだけで「カチカチ」と響きわたり、カーソル移動時はオフィス内で苦情が来るので、カーソルキーを押しっ放しにする人もいるぐらいです。

標準的な109キー配列から、テンキーと右Windowsキーを除いた91キー配列。日本語配列だがひらがなの刻印がなく、スッキリしている分、視認性が高い。

スイッチはCHERRY MXのタクタイルクリックモデル、通称「青軸」。カチカチと響く甲高いクリック音が特徴
また、前回の記事でも少し触れましたが、メカニカルスイッチを使ったキーボードは、キー1個にスイッチ部品が1個使われています。しかしその分製造コストがかかるため、価格も結構お高く、このクラスのキーボードでも1万円を軽く超えます。※
※:このキーボードは既に販売終了していますが、ほぼ同じスペックの後継製品が、メーカー直販価格で「¥13,480円」(2017年4月現在)です。
その音やコストのせいで、メカニカルスイッチを使ったキーボードは一時廃れてしまったのですが、このクリック音こそがメカニカルの証。甲高いクリック音が鳴るごとに確実にキー入力(コマンド入力)したことが分かるので、最近はゲームユーザーの間で静かに人気復活中でして、その牽引役の一翼を担っているのが、この「マジェ」というわけですが……やっぱりカチカチうるさいので、記者は使っていません(きっぱり)。
(S&Iの)普通のユーザーの普通の感想と、マニアな記者のツッコミ[1]
Tさん:「カチカチという音がかわいい。でも音が高くて、タイプし続けるとうるさい。普通に入力していて、打ち損じるようなことはなかったが、キーボード自体に厚みがあるせいで、やや打ちづらい。また、カナの刻印がないので、キーがどこにあるのか分かりにくかった」
―記者:「厚み」というのは、キーボードの高さのことみたいです。確かにノートPCと比べたら高い位置にあるので、慣れないと打ちにくいかも。でも、カナ刻印がなくて分かりにくいという意見は初耳でした。Tさんみたいなローマ字入力のユーザーはたいてい歓迎すると思ったんですけどね。
Iさん:「『バイオハザード』(ゲーム名)のタイプライターを打っているような音が気持ちイイ。でも、やっぱり音が大きくて、自分はいいけど周りには迷惑をかけそう。普段使っているノートPCと違い、左隅に[Fn]キーがないので、左[Ctrl]キーや[Windows]キーの打ち間違いが多かった。でも打ち応えがあるので使い続けたくなる」
―記者:うおおぉぉぉ、バイオハザードとは、例えが懐かしくて泣けてくるぜっ!ついでに『パラッパラッパー』っぽく入力して試してみて欲しかったYo!! ところで、Tさん同様、音は「うるさい」と感じたわけですね。まあ、メカニカル派の私もやかましいと思うので擁護しません。うるさいです。ウゼーです。
伝説の「スペセバ」よりもグレードは落ちるが、それでも人気を博した二代目
IBM スペースセーバー・キーボードⅡ (メンブレン式)

二代目「スペセバ」は中央にThinkPadと同じトラックポイントを実装(キャップはソフトドーム型に交換済み)。テンキーに加え、マウスを置くスペースも不要な、文字通り「スペースセーバー」キーボードだ
このキーボードの紹介の前に、まず、伝説の省スペースキーボード「Space Saver」(通称:スペセバ)の話を。スペセバは、IBMのバックリングスプリング式の英語キーボードから、テンキーを省略した、名前のとおり省スペースキーボードの先鞭をつけたキーボードで、「うおぉぉ!小っちゃいぜー!! カワユイぜーっ!」と、後の「萌え」に通じる何かを感じたユーザーの間で大ヒットしました。日本語版は「スペセバ」という名ではなく、名機「IBM 5576-A01」と同じ国産バックリングスプリング式スイッチを採用した「IBM 5576-003」として登場しましたが、一般的な日本語キーボードのキー配列(OADG配列)とは異なる、1世代前のIBM独自配列だったためか、ブームになることもなく静かにフェードアウト。でも後に5576-003がネットオークションで高値で取り引きされる、超・レアアイテムになろうとは、当時の日本IBMは予想もしていなかったことでしょう。

省スペースキーボードの草分け「スペースセーバー」の名を冠したSSK2。1999年の発表以来、今でも愛好者が多い名機の一つ

古いキーボードはメンテナンスが欠かせない。今回は撮影前にキーを全部外してクリーニングした。この後、潤滑剤も塗って、新品同様のキータッチが戻ってきたぜ、ひゃっほう!!

コネクターは懐かしのPS/2。トラックポイントがあるのでマウス端子も接続しなければならないが、今はPS/2→USB変換アダプターにキーボードとマウス、両方のコネクターがあるので、古くても問題なく使える

もちろんスマホにもつながる。ただ、Android上では英語キーボードとして認識されてしまった。それでも記号キーの刻印が異なるだけで、普通に日本語入力できるし、トラポでも操作可能
で、その後継として登場したのが、この「スペースセーバー・キーボードⅡ」。スイッチがメンブレン式になってしまったので「こんなの"スペセバ"じゃない!」という、バックリングスプリング原理主義者たちは、頭文字を取って「SSK2」と呼ぶようになり、その後「SSK2派」と「スペセバⅡ派」による血で血を洗う抗争が…なんてことはありませんよ。でも、キースイッチのグレードは下がったものの、ThinkPadでおなじみのトラックポイント(以下、トラポ)が搭載され、マウスを扱うスペースが不要になったことで、初代よりもさらに省スペース化を実現しました。これって当時はかなり画期的なことで、特にマウスの置き場に困っていたラックサーバー用のキーボードとして、ダンジョンの中ボスら、もとい、サーバー管理者たちの間でモテモテでした。
1999年に発表された古いキーボードなので、インターフェースも古めかしいPS/2ポート×2(キーボード、マウス)。でも、USB変換アダプターでトラポもキーボードも普通に使えるので、記者の家では今もホームサーバー用のキーボードとして元気に活躍中です。
(S&Iの)普通のユーザーの普通の感想と、マニアな記者のツッコミ[2]
Tさん:「第一印象は押した時の感触が固く感じたが、使っている間は意外と気にならなかった。音ももうるさすぎず、一番使いやすいかも。でも、見るからにホコリがたまりそうな感じ」
―記者:このキーボードに限らず、ホコリってたまりまくりますよね。記者はやや神経質なところがあるので、ブロワーやエアダスターをしょっちゅう吹き付けて、キートップも全部外して定期的に磨いています。音がうるさくないのは、記者の愛のメンテの賜物なのです。
Mさん:「古そうなキーボードだけど、一番使いやすくて好きかも。打鍵時の押し心地がいいし、トラックポイントのおかげで、いちいちマウスに手を伸ばさなくても操作できる点がイイ(・∀・)」
―記者:今回は全てのキーを外して、キーの軸にスムースエイド(潤滑剤)塗ったんだけど、古いキーボードがこうも好評だと、メンテのしがいがあって思わずニヤリです。
【コラム】閑話休題 ~みんな知っているようで知らない、アノ秘密♪
PCの初心者もベテランも、今も昔も同じように操作しているキーボード。日本語キーボードと英語キーボードでは、記号の配列に違いがあるものの、アルファベットの配列は同じです。
左上から[Q]-[W]-[E]-[R]-[T]-[Y]-...の順に並んだこのQWERTY(クワーティー)配列が、大昔のタイプライターのキー配列を踏襲しているということはよく知られていますが、では、そのタイプライターのキーがいかにしてQWERTY配列になったかというと、諸説入り乱れていてどうもスッキリしません。
そこで、ちょっと話題はそれますが、詳しい資料を見つけたので、その内容をかいつまんでご紹介します。
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"QWERTY配列"は、1870年代に米国の元・新聞編集者で政治家だったクリストファー・ショールズと、彼の同僚だったカルロス・グリッデン、ジョージ・デンシモらが、テレタイプ端末(印刷電信機)のキーボードをベースに考案したと言われています。
当時のテレタイプのキーボードは、ピアノのように上下2段に分かれた28個のキーで構成されていて、アルファベットの前半が左から右へ、後半が右から左へと割り当てられていました。ショールズはこの配列を参考に、数字キーを独立させて左端に集約し、上段も下段もアルファベットが左から右へ割り振られた配列を考案し、自ら開発したタイプライターに採用しますが、成果は芳しくなかったようです。
◇初期のテレタイプ端末のキーボードと、キー配列
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ピアノ型配列は左右に広くて入力に時間がかかってしまうため、ショールズは新しいキー配列のタイプライターを考案して、電信会社に売り込み始めます。横に広いピアノ型配列から数字と母音を抜き出し、さらに2段加えて計4段にすることで、すべてのキーに無理なく指が届くようにした、現在のQWERTY配列のルーツとも呼べる配列です。
◇ショールズ考案の4列キーボード。QWERTY配列はここから始まったと言われている
1870年9月、ニューヨークの電信会社がショールズのタイプライターを購入するにあたり、キー配列を変えるよう要求してきました。その会社のパートナーだった発明王・トーマス・エジソンが、ショールズ考案のキー配列を酷評したからだとも言われています。
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電信会社の要求は、半母音の[W]を上段に、使用頻度の高い[T]キーを中央に、使用頻度の低いキーは下段や端っこに移動させるというものでした。それと、当時の西暦「1870」や翌年の「1871」を入力しやすくするため、[1]の代用だった[I]キーを右側に移動させることも盛り込まれました。
また、当時はテレタイプのデータ送信にモールス信号を使っていたのですが、[Z]のモールス符号が[S]と[E]の2字分の符号と同じという米国のローカル規格だったため、混同しやすかったのだそうです。そこで、受信した符号が[SE]か[Z]か確定したときに素早く入力できるよう、[S]キーを[Z]と[E]キーの近くに配置するなど、電信会社からの要望で配列を改良した結果、記号キーや使用頻度の低いキーが、上段や下段の左右に追いやられ、現在の"QWERTY"に近い配列になります。
◇電信会社からの要求を受けて改良されたキー配列
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その後も試行錯誤を繰り返した後、1873年3月、ショールズはE.レミントン&サンズ社(以下、レミントン社)と新設計のタイプライターの製造契約を結び、同年秋にレミントン社初のタイプライター「ショールズ&グリッデン・タイプライター」の試作品が完成します。
このタイプライターのキー配列では、[R]と[P]キーが上段に移り、新聞記事を受信する際の段落区切りのモールス符号代わりに[…]キーが追加されましたが、[Y]キーが右端に追いやられたことにショールズが猛反対。結局[Y]キーが元の位置に戻ったところで特許を取得。タイプライター関連の特許をデンシモと、彼のパートナーのジョージ・ワシントン・ヨーストらに譲り、製造権はレミントン社に移ります。
◇「ショールズ&グリッデン・タイプライター」(出荷版)のキー配列
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1875年、レミントン社は、バイロン・ブルックスが考案した「プラテンシフト」、つまり「シフト」キーを押すことで大文字と小文字を打ち分けるメカニズムのアイデアを買い取り、このメカニズムを搭載した新型タイプライターの開発を始めます。これにより、それまでキーがなかった記号が数字キーに割り当てられ、その他の記号も右端か下段に配置されるようになりました。
その後、レミントン社のタイプライターの設計を、同社からスピンアウトしたWS&B社が担当することになったのですが、その際、ショールズ&グリッデン・タイプライターの特許に抵触しないようキー配列を微妙に変更し、[M]キーが下段に、[C]キーと[X]キーが入れ替わった「レミントン・スタンダード・タイプライター No.2」を発表。こうして現在のQWERTY配列とほぼ同じ配列が完成しました。
◇「レミントン・スタンダード・タイプライター No.2」のキー配列
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"QWERTY"配列の起源については、『セールスマンが、上段のキー1列だけで「TYPEWRITER」とタイプするデモを客に見せるため』という説がありますが、おそらくこれは都市伝説の類でしょう。少なくともショールズがレミントン社に製造を依頼した時点で、上1列は今の"QWERTY"とほぼ同じ配列でしたし、右隅に残っていた[R]と[P]キーが上段に移動したのも、大口顧客だった電信会社の要望によるものですので、たまたま1列だけでタイプできるというだけで、わざわざそのために配列を変えたわけではなさそうです。
また、『タイプバー※が印字位置で絡まる(ジャムる)のを防ぐために、タイピングの速度を落とす目的で、文字をバラバラに配置した』という説もありますが、それだと英語の二重子音でよく使う -ed/-er/-th/-tr等の文字キー同士が近くにある理由が説明できません。多少はジャムらないよう配列を考えているかも知れませんが、他の文字でもジャムるときはジャムりますしね。
※タイプライターの活字を印字面に持ち上げる棒、アーム。
そんなわけで、QWERTY配列の起源はおおむねこんな感じ。掲載スペースの都合でかなり省略しましたが、要するに「顧客からのリクエストと特許抵触回避の結果」というわけですね。これで少しはスッキリしたのではないでしょうか(笑)。
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参考文献:「On the Prehistory of QWERTY」 (著:安岡孝一、安岡素子), 『「ECONOトリビア」QWERTY記事顚末記』 (著:安岡孝一)
― 2017年5月8日:参考文献の追加、および図の一部を修正。
問答無用の省スペース化。でもカーソルキーは欲しかったんだね
さァ、"QWERTY"配列の謎が晴れたところで、キーボード紹介の続きとまいりまショー!
PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 (HHKB Lite 2) (メンブレン式)

必要最低限のキーだけ残すというHHKBのこだわりを踏襲し、68キーだけのコンパクトなサイズにまとめられたHHKB Lite 2
Happy Hacking Keyboard(以下、HHKB)は、必要最低限のキーだけ残したら…というコンセプトで20年ほど前に生まれた高級省スペースキーボードの人気シリーズです。今でこそ[Fn]キーとの同時押しで使うキーボードは珍しくありませんが、HHKBは当初からそこが徹底していて、カーソルキーさえも[Fn]キーとの同時押しでなければ入力できません。その面倒くささに耐えてでも設置スペースを節約したいという、ある意味ドMなマニア向けです。
初代HHKBはちょっと高級なメンブレン式でしたが、後継機種は「リアフォ」で有名な東プレの静電容量無接点式スイッチを採用しており、その華麗な打鍵感に一度ハマると、二度と抜け出せなくなるそうですが、高価なスイッチなのでコストも高く、今や「究極のドM用高級キーボード」と称賛されています。

玄人に絶大な人気を誇る「Happy Hacking KeyBoard」(HHKB)の流れをくむ、普及タイプの HHKB Lite2
![画像: HHKB Lite2にはカーソルキーがあるのに、HHKB同様[Fn]キーとの併用でも操作できるという、変てこりんな仕様](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782434/rc/2017/04/26/dfe33dc3d751ec8fe73cba32090480b365cfa216_large.jpg#lz:orig)
HHKB Lite2にはカーソルキーがあるのに、HHKB同様[Fn]キーとの併用でも操作できるという、変てこりんな仕様

背面にはUSB 1.1ポート×2基…って、1.1じゃあ、マウスやテンキーぐらいしかつながらない。マウスはともかく、テンキー付けたら本末転倒じゃん…
でも、いくら人気でもドM向け。ノーマルな人にはウケなかったみたいです。そこでコストを抑えて一般向けにしてみた(?)のが、このHHKB「Lite 2」。静電容量スイッチをメンブレン式に変えてコストを抑え、ノーマルな人に合わせてカーソルキーを追加した廉価版です。
メンブレン式ですけど打鍵感は悪くなく、ステップスカルプチャーになっているので指にも良くフィットします。でも、[Ctrl]キーを古式な[A]の左側に配置しているとか、カーソルキーが付いたのに、相変わらず[Fn]と文字キーでカーソル操作ができるとか、ノーマル向けのはずなのにMを強要されているような気がしてなりません。やっぱり[Fn]キー併用だらけは自分には無理。ノーマルがイチバン、ってことで、結局数回だけ使って、あとは10年以上放置していたら、すっかり黄ばんでしまって、ご覧のあり様だよ。
(S&Iの)普通のユーザーの普通の感想と、マニアな記者のツッコミ[3]
このキーボードの被験者:0名
マニアじゃない、ノーマル中のノーマルな人の感想が欲しかったんだけど…見るからに普通のキーボードよりもキーが少ない(足りない)ことが明らかなせいか、誰も手に取ろうとさえしねえでやんの…。やっぱりドMじゃあねえと使わねえわな、コレ(笑)
冒頭で「2部構成にできるぐらいの壮大なスケール」と述べたとおり、やはり相当なボリュームになってしまったので前編/後編に分けることとなりました(カットや短縮ではなく、分割でよかった〜)。
まあ、タイトルにも『(前編)』って書いてあるので気付いていたと思いますが、今回はひとまずこの辺にしておいて、後日続きを掲載予定です。
それほどレアとか珍しいキーボードを紹介するわけではないのですが、何かの話のタネにでもしていただければ恐悦至極に存じます。
それでは―
『勝てば天国、負ければ地獄。 知力、体力、時の運。
ブリキにタヌキに洗濯機。早く来い来い…』…なんか途中で混じってしまいましたが、café SANDI史上最大の「(仮)キーボードネタ mk2SR (後編)」でお会いしましょう。